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COLUMN
vol.6 日常のクリエイティビティ(最終回)
セネガルからパリに着くと、まだ、朝が早くて、私たちは、その日泊まるはずのホテルの近くをぶらぶらしながら、やっと開店したカフェで、日本でいうところの「モーニングセット」を食べました。
多分、そこは、なんてことのない、日本でいうところの「定食屋」さんのようなところだったのですが、そのテーブルや、壁に貼ってあるポスターや、カウンターなど、一つひとつの集まりが、なんとなく粋で、独特の雰囲気をつくっていました。カフェのおじさんと、そこで新聞を読んだり、たばこをふかしたりしているお客さんたちは、ほどよい距離感で、ほどよい会話をかわしながら、ほどよく思い思いに、その時間の流れを楽しんでいるように見えました。私たちも、それにならって、パリかぶれの外国人なりに、まったりとした土曜の朝を過ごしてみました。

石造りの建物。たそがれ時のオープンテラス。街灯。シャンパン。おしゃべり。パリに来て、いつも印象的なのは、この街には、ビジネスの効率とは全く異なる価値観が根づいているのだということです。ここに暮らす人たちの生活を自由に楽しむ、ある種の”能力”は、私たちの目にとても新鮮に映ります。そして、何か大それた奇抜なことをやっているわけではないけれど、そのパリに暮らす普通の人たちのそれぞれの日常が、このパリという街並みと時間の流れを創りあげているのだ、ということを実感します。

パリにいると、ここでKENZOKIがうまれたのだ、ということが、腑に落ちます。普段、捨ててしまうようなパッケージにほどこされたレントゲン写真の凝った図柄。ポップでインテリア雑貨のようボトル。個々人が自由にアレンジできる使い方。ゆったりとした時間の流れが前提となった商品設計。それは、自分なりの生活を楽しむ術を知ったパリ人たちにとっては、もしかしたら、当たり前のように生まれたブランドだったのかもしれません。

パリの空気を思い出しながら、ふと、こう思うのです。もしかしたら、パリの人たちの、このさりげない日常のクリエイティビティは、学ぶべきところなのかもしれない、と。そして、KENZOKIが、それぞれの人の自由なイマジネーションにまかせて、誰かの生活のワンシーンを楽しく彩るものの一つとして溶け込んでいってくれたらいいなあ、と心の底から思うのです。
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