『王妃マリー・アントワネット』遠藤周作
読みごたえがあって良かったです。 神様や信仰って何なんだろう? ってまさに遠藤周作のテーマで、ほんと重い。 人がよわったり傷ついたりしながら神様を心の支えにしてて、 でもその信仰がまた人間同士を争わせたりするのね。 私は宗教に縁がないから、こうして本を読んだりしないと想像できないけど…。 読んでたら、東京カテドラルに行った時の事を思い出しました。 丹下健三の。 その時は、コンクリート打ちっぱなしの...
『謝々!チャイニーズ 』/星野博美
『転がる香港に苔は生えない』を読んで以来、すっかり著者の 星野さんに憧れてしまっています。 「ある一瞬の裏側にある事」を掴む力強さが好きです。 『謝々!チャイニーズ 』は星野さんのデビュー作で、大宅壮一 ノンフィクション賞を受賞した『転がる香港に苔は生えない』の 数年前、20代の終わりのたびの記録です。 バスに乗って華南地方を北上する旅。 裏表紙に書かれたあらすじでそれを知った時は、沢木耕太郎の ...
対岸の彼女/角田光代
さすが直木賞ですねー。 一気に読んでしまいました。面白かった。しかも泣いた。 あまり前知識を入れるのは好きではないので、書評はほとんど読みませんでした。だから読む前のイメージとはだいぶ違いました。 別に勝ち犬や負け犬の話じゃないじゃん……。→いい意味で違うってことです。宣伝がそんな感じだった。 あと、はずかしながら角田光代さんの本を読むのも初めてでした。 思ったより、ずっと刺激的な要素の強い…事件...
サンダカン八番娼館
高校時代、現国の先生に勧められて読んで以来、ずうっと心の片隅にしまってあった本です。 貧しかった天草から、からゆきさんとしてボルネオのサンダカンへ渡った「おサキさん」の一生を現した体当たりのルポ。大宅壮一ノンフィクション章受賞。 不思議な縁で、昨年天草へ旅することが叶いまして、それを機に文庫買って再読。地下鉄の中で読んでて、涙がこぼれてマスカラがヨレて困りました。 極貧にありながら、聖母のようなお...
蝉しぐれ
藤沢周平の時代小説。舞台は江戸時代。 主人公の文四郎が、青春を経て大人になっていく様を、定番の剣術や稽古にまつわることだけでなく、気のおけない親友たちや、仄かに想う女の子のことやら、家族への気持ちなどを絡ませて描いている。文四郎は必ずしも快い日々ばかりを送るわけではないのだが、読んでいて懐かしい気持ちにさせる話だと思った。いつまでも子供じゃいられないんだなと、当たり前であるけどどこか悲しい気分みた...
箱男/安部公房
ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは? 贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換するシーン。読者を幻惑するいくつものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、実験的精神溢れる書下ろし長編。 --------------------...
- 昔って悲しいな、と思いました
『細川ガラシャ夫人』
三浦綾子のは『母』以来だが、クリスチャンである彼女がこのテーマで歴史小説を書いたというのは不思議ではないと言えば当たり前過ぎる言い方だが、彼女がどんな視点で書いたのかは興味のあることだった。 明智光秀の娘で細川忠興の妻となった玉子であったが、信長の家臣である父光秀像とか舅である細川藤孝像、或いは荒木村重の謀反の一件で登場する高山右近とかの描き方には、史実に忠実である面と彼女が何を強調したかったの...
遠藤周作『沈黙』
時は18世紀、日本の各地で幕府のキリシタンへの弾圧が強まっている。そんな中、ポルトガル司祭は来日を決意し、九州のとある小さな村へ渡った。あるものは拷問の末殉教し、あるものは棄教し裏切り者になる貧しい村のキリシタンたち。数え切れない犠牲と弾圧に、ポルトガル司祭はつぶやく。「・・・なぜ神はお助けにならないのだ。」 ”神はいるのか”その問いの重さはほぼ無信教者の私にはわからない。神がある日魔法のように現...
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