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2007/11/20

ラヒマ・ボールドウィン『赤ちゃんからのシュタイナー教育』

 シュタイナーと言えば、僕なんかには神智学の人、というイメージが強いのだけれど、世の中一般的には〝シュタイナー教育〟の人というほうが有名なのだろう。ただし、そんなわけなのでシュタイナー教育はスピリチュアルなものとも繋がっている。というか、スピリチュアルな世界観を基にした教育論になっている。
 スピリチュアルな世界観というとまた変なことのように思われるかも知れないが、子供の場合端的に現れるのは絵画とか音楽とかいった芸術的なものに対する接し方である。芸術とスピリチュアルなものが近しいというのは僕もきっとそうなのだろう(というより、むしろそうあるべきだ)と思っているのだが、シュタイナー教育はそのような基盤に立っている。
 したがって、教育といっても知的側面ばかりを早期からトレーニングしたり、あるいは芸術といってもその成果ばかりを追い求めるようなことをシュタイナー教育ではよしとしない。人間としての成長、というとなんだかこれもまた月並みな言い方で嫌になるのだが、要は人間としてのエネルギーの使い方を正しく導く、という言い方が一番正しいような気がする。生命とは間違いなくひとつのエネルギーなのであって、自然と接する大切さ、芸術と接する大切さ、それはすべて人間のエネルギーを正しく導くというところにその根本がある。勿論、知的トレーニングもある時期からは必要になってくるのであるが、それを早期に始めすぎることはそのようにエネルギーを正しく導くという観点からすると決してよいことではないというわけだ。曰く、生命エネルギーは当初は肉体の成長に使われるが二~三歳から想像力の成長に使われるようになり、十四歳くらいから知性の発達に使われるのだ、という。早急な知的トレーニングがよくないというのは、そのような理由による。
 そんなわけで二~三歳から十四歳までは芸術的なもの、もしくは自然的なものによく接触する必要があるとする。絵画については特に面白いことを言っていて、「魂の本質は色」なのだ、と。従って、精緻に造形するよりも色を自在に使うこと、その美しさを感じることがこの時期の絵画には大事なのだそうである(ゆえに、にじみ絵や平筆を使うべし、とこの本には書いてある)。いずれにせよ、この幼児から少年に至る時代は確かに人間にとって「魔法のような時代」だ。その時代を、芸術や自然や、その他の美しく楽しいもので満たしてあげることは確かに必要なのだろう。

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