2007/12/06
ミキシング修正
さて。
編曲の再アレンジや、ハーモニーの取り直しや、そういうのは日常茶飯事なんだが、
ここにラフなトラックダウンのナンバーが山積みされている。
ここから、何でも数曲ピックアップして、とにかく売れるアルバムを作れ、と言われたら。
ギョー界人生長いんだが、一番怖れている注文である。
幸いな事に、私はアルバム全部を任された事はない。生命拾いというヤツだ。
一番イヤだったのは、好きになれないアーティストの曲、しかも好きでもない得意でもないジャンルで、アルバム12曲中5曲のアレンジを任されたこと。
以来、しばらくこのシゴトがすっかりイヤになった想い出である(笑)
イヤになると、すぐ辞めるクセは、その当時身近でずいぶんと流行った。
Whitesnakeの『Whitesnake』という1990年のアルバムがある。
コレは、ギョー界的には物凄いアルバムである。
クレジットされているミュージシャンは違うは、アレンジした人も、トラックダウンした人も、ミックスした人もクレジットとはまるで違う、契約上の笑い話のような、ある意味伝説のアルバムである。アトにも先にもこれほどの代物は出ないのではないか。
いろいろ問題があるようなので、ひとつだけ種明かしすると、
ミックスしたのは、元Jonathan Cain Band、元The Babys、元Journey、元Bad English…の、ジョナサン・ケインである。
この人まったく好きなミュージシャンではないが、音のセンスはピカイチである。特に、他人のプロジェクトに手を貸す時の才能の開花ぶりは大した職人である。
この男が、ある時期、ひとりっきりでスタジオにこもって、すべての音を、切り貼り、重ねて、作り上げたのが、9曲中6曲をチャートに叩き込んだ快挙なアルバム『Whitesnake』。
愛情3部作とか、デヴィッド・カヴァーデイルの寝言まで飛び出したヒット作。スバラシイね。
数年後、Bad Englishで来日した時に、アルバムのクォリティの高さを本気でホメたら、
「あれ?あれは、孤独な作業だったよ~~」と苦笑していた。
そうミキシングエンジニアは、孤独な商売である。
新しい機械と仕事する時には、メータのアベレージをとるのに「Still The Night」をよく使う。これが、ミキシングの基礎講座のように、高低よくバランスを使っているからとても便利。Jay Cainに感謝。もちろん、こんな話は、本人にはしなかった。
あと、ABBAの「When All Is Said and Done」。この2曲で案外、チェックが整ってしまう。誰にでもそういうお気に入りの曲があるものだ。私の場合はこの2曲。







