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2008/05/09

9:04 am 黒澤明夫人、矢口陽子

  • 9:04 am 黒澤明夫人、矢口陽子の画像

今朝のBGM映画は「一番美しく」黒澤明(1944年作品)。

敗色濃厚となっていた第二次世界大戦下で製作された。当初は零戦を使った活劇を製作する案があったが、物資が逼迫し始めた状況において、映画製作のための兵器貸出は困難だったため、その代わりとして、軍需工場で働く女子挺身隊員達の姿を描こうというアイデアにより生まれた作品。いずれにしても、戦意高揚の目的を担った映画であるのは、この時期に製作された映画に通じて言えることであり、本作品もそのひとつではある。

という作品だが、多少美化しすぎ。現に、「私の扱っていた女子挺身隊員たちは、正直なところ、そんなにコチコチに尽忠報国の精神に燃えてはいなかった。物質面には不自由はしていても、そこにはまだ若さからくる心の豊かさが残っていた。まだ本土空襲のない時代のことである」という証言もある。

そして、この作品の主人公役をつとめた女優矢口陽子が翌年、黒澤明夫人となったことを初めて知った。写真の右側の女優がその人である。

この映画の前にBGMにしていたのが「鰯雲」成瀬巳喜男(1958年作品)。厚木近辺の農村が舞台で農地解放で没落した地主の家が舞台の作品だ。こちらは、「駅前旅館」の淡島千景、「炎上」の中村鴈治郎、「風流温泉日記」の小林桂樹、「花の慕情」の司葉子、その他木村功・新株三千代・水野久美・加東大介・杉村春子などが出演という豪華キャストだ。それにしても、農村の嫁に淡島千景は似合わない。同じ美人でも高峰秀子ならばもっと上手に演じたろう。

俺が10歳の頃の日本はまだ貧しいこんな社会だったんだなあと思う。そして、「撃ちてし止まむ」が最初のタイトルに出てくる黒澤「一番美しく」は俺が生まれる僅か4年前。思えば遠くへ来たものである。

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