2010/01/13
アカルイミライ。
AFPによると、カナダで中国系移民が急増しているという。「バンクーバーの中国系住民は38万1500人。5人に1人が中国からの移民という計算になる」。この街には北米大陸で2番目に大きなチャイナタウンがある。ビジネスチャンスを求めてのことだろうと思いがちだが、最近では自国で財産を築いて “脱出する” ケースが多いらしい。
そんな彼らが驚くのが、メディアの報道姿勢。「中国ではプロパガンダや、成功したことのPRなどだけれど、ここでは大惨事や人権が報じられ、物事の悪い面を探し出そうとする」。「世界報道“不自由”ランキング」(拙文)で8位(2009年)の国だから、仕方ない。
「物事の悪い面を探し出そうとする」傾向は、米国や日本ではさらに高まる。それは、このふたつの国の人びとが “恐怖” によって動かされていることと無縁ではない。「...しないと大変なことになりますよ」。政府もメディアも広告も、脅しつづける。しっかりとした教育をせず、不健康で自信を失っている人間は統治する側にとって好都合だ。「民」という字は、目に針を刺した様を表わしている。
それにしても、暗いニュースが多い。景気は “気” だ。そんな話題ばかりでは、もり上がるはずもない。
現政権に対する論調もそうだ。別に民主党を支持しているわけではない。メディアの重要な役割のひとつが “権力の監視” であることに、疑義をはさむつもりもない。それでも “悪い面” に重心が置かれすぎている気がする。
たとえば、あのバトル。くり返し放映された国立女性教育会館神田道子理事長と蓮舫議員とのやりとりは、理事長の「私の話も聞いてください。一方的にただ質問に答えろというのは心外です」との言葉で終わる。たたみ掛けられる質問は横暴と映り、不快に感じた方も少なくないだろう。
しかし、“私の話” にあたる各事業の説明は、冒頭5〜7分かけて各省庁の担当者が行っている。ここは仕分け人の質問を受ける時間なのだ。理事長の発言のあと、この点を統括役の枝野幸男議員が指摘しているのだが、カットせずここまで放映したケースはほぼ皆無だった。
仕分けの目的は、ムダを省くことではなかった。各事業のプライオリティと、ホントに国でやらんといかんの?を判断する場だった。そもそも、私たちはこれまでこんなシーンを見たことはなかった。従来なら、このあとの予算委員会は “鳩山お小遣い” 及び “小沢助成金” 問題で紛糾して、肝心の予算は霞が関の “仕分け” のまま国会を通過していく。
メディアについては、思い当たることがある。半世紀にわたって、政治部の “花形” 記者は自民党担当──首相や派閥の領袖、党三役 “番” だったはずだ。ところが、一夜して野党担当。異動もあったろうが、いかんせんコネがない。どうする?
政権自体にも問題は多い。しかし、タレントの薬物汚染や凄惨な事件・事故などのゲリラ豪雨のごとき詳細報道も含め、メディアもまた景気回復を遅らせている戦犯のひとりであると言ってかまわないだろう。
冬季五輪が1か月後に迫ったバンクーバーの「バンクーバー経済新聞」で、昨年の年間PV第1位は浅田真央選手など五輪関連の記事を押さえて、「ばくだん焼き」屋台。ばくだん焼きとは大型のたこ焼きのことらしいが、リッチモンドに日本人がオープンした屋台が口コミで人気を集めているというニュースだった。
五輪観戦のついでに立ち寄られた方は、ぜひレポートを。長期滞在される場合は、バンクーバーのダウンタウンに「みんなのコンビニ屋」(拙文)というCVSもある。日本食がそろっていて、日本語も通じる。









四月の旅人


