2010/03/10
不在
終電間際の電車を乗継ぎ、めいめい勝手に喋り歩く人混みにげんなりする。乗り込んだ電車では、人山の向こうから奇声が聞こえていた。別段珍しいことでもないので聞こえるままに聞き流していたのだが、そのうちドン!ガン!と電車の窓に頭を打ちつけはじめる。折しも昔のサラリーマンは毎朝毎夜、かように常軌を逸した状況に放り込まれて数十年、よくも気が違わなかったものだなどと思っていたものだから、さもありなん。何かのっぴきならないことがあったのかなあ、あれだけ強く打ちつけて大丈夫なのかなあ、くも膜下出血とかならないのかなあ、とやや同情的な気持ちになってしまった。いくら満員電車が常軌を逸してようと、それを押してなおその生活に信じるものがあれば耐えられたのか。お金、名誉、会社、家、経済成長、平和、神仏、主義。白けた蛍光灯の下に晒されて、欺瞞も幻想も等しく糾弾される。信仰の不在こそこの閉塞した社会の病ではないのか。つまり、あれだよ。信じるってのはどうやんだよ、と。
…明日7時起きだなんて信じたくない。(ぐうたら)







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