2012/01/29
シューマンと、お茶を......
老婦人は、ことわることのできないような、暖かい声音で、ピクウィックさんを誘いました。
「お茶でも、どうぞ。ピクウィックさん。」
「いいぇ、結構です。ほんとうに。」
老婦人の好意がふくらんでゆくので、ピクウィックさんは、だんだん、そこに居るのが面倒になってゆきました。かれは、バーデルさんのことを考え、バーデルさんから、冷たい視線を受けることを想像すると、冷や汗を背に感じていました。
チャールズ・ディケンズ:The Pickwick Papersより
ゆっくりした、冬の休日、なにをするでもなく書斎にいると、平和だなぁ〜と感じます。関心空間にログインしてみると、雑記を書くようになって、二年ちかくになるのだなぁ、と感じました。このごろは、Twitterには、マメに写真を流したり、遊んでいるけれど・・・・ながい文章を書く時間がないのも手伝って、備忘録のほうは、ご無沙汰することが増えているかもしれません。三度のメシとおなじくらい好きな、音楽も、オーディオ装置のまえで聴くよりも、移動中にiPhoneを用いて、YouTubeから映像を楽しむことばかりだし、ねむるまえは、キチンと聴いていないしねぇ・・・土曜日は、雑用に追われてしまって・・・・しずかな日曜の朝、ひさしぶりに、譜面をみながら、シューマンの五重奏に触れる喜びに恵まれました。
シューマンのピアノ五重奏、あれもこれも、書斎の棚にはディスクやレコードがあるけれど、なぜか、おなじ演奏ばかりを選んでしまいます。(笑)決まっているのではないけれど、アドルフ・ブッシュがアメリカへ渡ってからの録音で、ピアノは、娘婿でもある、ルディ・ゼルキンが弾いています。これは、四十二年に、ニューヨークで吹き込んだもので、録音も、かっちりしたモノーラルだけれども、響いてくる音楽は、滑らかさを失わずに、ピチピチとした、若々しい清潔さのある演奏ではないかなぁ。ゼルキンがピアノを弾いたものでは、ほかに、カザルスの音楽祭、フランスとスペインの境にある寒村、プラード・フェスティバルに客演したときの記録もあり、こちらは、ハンガリーの名人、ヴェーグたちの四重奏と共演していたり、別に、ヴェーグ四重奏と、カサルスを、チェロに招いた録音もあるけれど、これらの演奏では、あの、清流のような、澄みきった冬の外気のような新鮮さは感じられません・・・・・
作曲家は、第一楽章に、Allegro brillianteと書いています。フォルテではじまる、第一音からして、躍動感と、リズミックな音階の動きが、作品に、華やいだ印象を与えていますねぇ。ここを、まさに、駆け上がるようなスピード感をもって奏でているのは、やっぱり、ルディさんだけかしら?エマーソン四重奏と共演した、室内楽の名匠、プレスラーは、ゆったりめに、ひとつずつ音符を噛みしめるようだったし、後年のゼルキンも、こんなふうには弾いていなかったし。グールドは、あれっ、これが、グールドなのか?と驚かされるような、歌うシューマンではないかしら?あの、第一楽章の有名な、ソ、ソ♭、ミ、ド♭、ラ、シ、ド♭、ミレ♭、ド♭、シの箇所、いつ触れても、ピアノが、このメロディを弾き、ほかの楽器に歌い継ぐところ、よいですねぇ・・・シューマンは、ピアノ五重奏の草稿を、数日で書き終えたといいます。できたての作品を試演した、友人のメンデルスゾーンのアドヴァイスを受け、いくつかの楽想を練り上げたという逸話があるけれど、どの節を、ふたりで語りあってから、スケッチに、手を加えたのかしら。
アドルフ・ブッシュは、ドイツの室内楽を語るうえで、欠かせないような存在です。かれは、戦前は、イギリスのHMVに、ベートーヴェンを中心に、いくつもの、弦楽四重奏の傑作を残していますし、戦後も、アメリカのコロンビアでも仕事をしていました。むかしは、ベートーヴェンの四重奏というと、ブッシュと、カペーのSPレコード、それに、たくさんの小品でも評判の高かった、レナーが知られていて、わたしの家にも、往年の名四重奏団のSPがあります。シューマンでは、カペーは、四重奏があったけれど、ブッシュは、このピアノ五重奏はコロンビアの初期レコードを聴いた記憶は鮮やかなのに、シューマンはどうだったかしら?憶えていません・・・幼かったころ、よく、祖父が、アドルフとヘルマンのブッシュ兄弟、それに、ルディを加えた、ブラームスのピアノ三重奏を好んで聴いていましたが、あのレコードで耳にした、いくつかの旋律、いまも、記憶に蘇ることがあります。
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手帖に、文字が記されていない休日、わたしは、朝っぱらから、ちょっと飲んでしまいます....(^^;)店へゆくと、燗酒ばかり頼んでしまうのですが、家では、寒くなってから、ウィスキーの紅茶割りを味わう回数が増えていますねぇ・・・・ちょっとまえは、中国茶というのか、紅茶の薫製とでもいえる、ラプサンスーチョンばかりを楽しんでいましたが、いまは、スパイスの強い、クリスマス・ティーを楽しんでいます。これは、ロンドンにある、フォートナム&メイソンという食料品店が、クリスマスの季節に売っている、Christmas Teaという銘柄ですが、ドイツや東欧で、この季節に飲まれている、ホット・ワインのように、冷えた肉体を暖めてくれる、カルダモンやナツメグなどの香料が、お茶に混ざっているようで、ふつうの、ウィスキーのお湯割りよりも、からだの内側が温まるような印象を抱いていて、ついつい、おかわりしたくなります。(笑)
香りのしっかりした、スパイス茶を飲むとき、個性のある酒、アイラ島でつくっている、正露丸のような匂いが、酒から漂う(ヨードの香り?)ラフロイグよりも、スペイサイドの地が育てている、滑らかなモルト・ウィスキーを、わたしは選びます。沸騰した湯で、お茶をつくり、それを、さらに煮詰めて、色のつよい、濃厚な茶を用意してから、ちょっぴり温めた、ウィスキーを合わせます。これを、おおきなマグカップにいれ、二杯ぐらい舐めていると、なんだか、生き返ったような、眠くなるような・・・・(^^;)今朝のあさメシは、ウィスキー茶と、ビスケットだけ・・・・でした。昼は、どうしようかな?もう、食べに出るのは億劫だし・・・・ブッシュ四重奏の音楽は、まだ、書斎に流れていますし、美しい響きと別れるのは辛いし・・・このまま、おなじディスクにある、ドヴォルジャークのOp.51を聴いてから、ベッドへ入っても、いいかしらん?
コメント(4)
2012/01/29
anoano シューマンのPfクインテット。ルディさん、即ち、ピーターの母堂(?)と演った録音があったのですね。米国amazon,を当ってみますか。グールド+ジュリアードQはかつてよく聴いたはずなのに、記憶が残っていないので(笑)。拝読していて、学生のとき、ヴィオラで仲間と試演したことを思い出しました。第1楽章の第2主題を1st.Vlと掛け合いで橋渡しする箇所(ご指摘の箇所です)で、思いきりヴィブラートをかけたこと、とか、第2楽章の葬送行進曲のテーマの最初の「ド」の音を途中、ヴィオラが最低弦の解放弦「ド」で弾く箇所。きちんと調弦していなかったので、微妙にピアノの「ド」の音とずれていて、慌てたこと、とか・・・。遠い昔のことと相成りました。ねこさんのお顔ですが、いつも憂愁の表情を湛えて貫禄があり、感じいるところ大です。漫然としたコメントで失礼しました。
たまる ルディさんというのは、ルドルフを略したんです..(汗)あっ、ただ、anoanoさんが仰っていますが、ピーターのお母さん、つまりブッシュの娘のイレーネさんが、ヴァイオリンを弾いている録音はあります。よろしければ、コピーしますので、遠慮なさらないでね♪ああ、あの箇所は、合わせるのがずれると、おとの印象が随分かわりますね。わたしも、むかし、アマチュアのひとが演奏するリハーサルを聴いていて感じました。ねこですか、なかなか、anoanoさんはおわかりになると思いますが、動物は写真に撮るのが大変です。これは、偶然にとれたのですが、あんまり撮られるのは好きではないですね・・・よい夜を!
2012/02/04
ramona カルダモンにナツメグ!スパイシィな紅茶なんですね。今年のクリスマスにはいただいてみたいです。お酒を入れて!
たまる 今晩は...よく、調べてみないとわかりませんが、スパイシィなお茶ですよ♪毎年、フォートナム&メイソンを取り扱っているお茶の店では売っていると思います。わたしは、英国の友人から分けてもらっていますが...お酒はウィスキーがよいです。それも、独特な香りのあるものではなくて、まろやかなものがよいと思います。お湯は、アツアツにしてくださいね。いま、山荘なので、このお茶が恋しいですねぇ..あっ、やまの風景は、ツイッターをみてくださいね。(^^)













