ろんそうするうちゅう
論争する宇宙
いわゆる、宇宙論を丁寧に説明してくれるだけの本ではない。アインシュタイン以降のさまざまな宇宙論の歴史と、その論争の内容などを丁寧に解説してくれている本。もちろん、宇宙論なんて「ワッカリマセーン!」なんて人でも大丈夫。丁寧にその内容を説明してくれています。
アインシュタインの理論の中でも、本人が「最大の過ちであった」と言っている「宇宙定数」であったり宇宙背景輻射であったり、そしてビッグバン理論であったり、インフレーション理論ってのは、まずは理論ありきなわけだそうです。理論天文学者がその理論を論文で発表すると、それを観測屋と呼ばれる天文学者たちが実際に観測を行う。その観測結果からさらに新しい理論が構築されていく...と、私たち人類は、宇宙の始まりすなわち自分たちの起源を探るためにこのような作業を地道に行っているそうです。
その作業の過程では、さまざまな理論のぶつかり合いや、天文学者たちの確執などもあったりして、それはそれは興味深いストーリーが展開されていたようです。
例えば、1948年にジョージ・ガモフが提唱したビッグバン理論がありました。これは当時観測結果から宇宙は膨張しているらしいということがわかったところ、宇宙を構成する元素がどのように作られていったのかを考えて、宇宙の起源までを理論化したものなんだそうです。ちなみに「ビッグバン」という言葉はガモフ自身が名付けたわけではなく、イギリスの天体物理学者フレッド・ホイルが「宇宙の玉子が大爆発したなんて愚劣な話だ」という皮肉をこめて「ビッグバン」と揶揄したんだそうですが、ネーミングの衝撃により、この理論が瞬く間に広まっていってしまったんだそうです。
そのビッグバン理論の中で、宇宙背景輻射と呼ばれる「爆発時の放射熱が冷めていき、絶対温度で5度程度の放射熱が宇宙空間には残っているはず」という予言がされていました。
そうしたら、今度は観測屋さんたちの出番です。この宇宙背景輻射が確認されればビッグバン理論の裏付けになるわけです。そこでも天文学者たちの熾烈なライバル意識と競争が繰り広げられていたわけですが、1965年にこの競争とはまったく関係のなかったベル研究所のアーノ・ペンジアスとローバート・ウィルソンが「人工衛星と地上の通信用アンテナに入る雑電波の除去」をしている最中に、どうしても除去できないノイズが混ざるので、その原因を究明していたところ「どうやら、これが宇宙背景輻射である」となり、絶対温度約3度のガモフが予言したことを証明してしまったわけです。
ちょっと、私の説明がわかりづらいんですが、こんな宇宙論の歴史を平易な言葉で書いてくれています。
感想を一言で書くとすると...「天文学者も人間なんだなぁ(笑)」
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