蜷川実花
この人の写真を観るたびに,ジェリービーンズを思い出す.
ジェリービーンズというのは,いうまでもなく,あの毒々しくて人工的な色合いの,空豆のようなかたちをした,まちがいなく身体に悪い砂糖菓子だ.味も見事に人口的なその砂糖菓子は,身体に悪いと思いながらも,食べはじめたら止まらなくなってしまう.
ジェリービーンズの魅力は,たぶん人工的な色と味にあると思うのだけど,その人工的な毒々しさは蜷川実花の写真にはあるように思う.
花も女の子も,あんな毒々しい色をしているようにはみえない.それなのに蜷川実花のフィルターを通ると,なぜか人工的な色彩を帯びる.世界はまるで,数え切れないくらいのジェリービーンズをばらまいたようになってしまう.
でも,もしかしたら,そういう色合いを帯びているのかもしれないとも,写真を観ているうちに思うこともある.
ぼくらのフィルターを通ってしまうと,毒々しい風景が脱色され,適度な色彩に調整されてしまうのかもしれないと.視覚なんていうものは,とても適当にできていて,自分勝手に世界を調整してしまうものだから.
ほんとうは,世界はジェリービーンズの瓶詰めのような,毒々しい色で埋め尽くされているのかも….
蜷川実花の写真を観ると,そんな気がしてきてならない.
>蜷川実花 公式サイト
- 2006/11/18更新
- 2006/11/18登録
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コメント (5)
2006/11/18
De Stijl 大きなパネルで観られたとのこと,羨ましいです.ぼくは写真集でしか観たことがないので….でも写真集そのものも美しいですよ,蜷川さんは.
プーク 彼女のプリントを数多く観ている方ではないのですが、(多分)多用されているプリントのアクリル圧着加工のことを思い出しました。(De Stijlさんならご存知だと思いますが…プリントの裏打ではなく表面にアクリル板を特殊な糊で圧着される、あの加工のことです) そこでは、プリントの表面は永久的に外界に触れることはなく、薄い殻で覆われているのです。彼女の作品は物質的にもジェリー・ビーンズに喩えられるといえるかも… そんなことを考えました。(今、関東ではいくつか展覧会開催してますね!)
De Stijl いまどき粘着紙が多いなか,アクリル板で圧着とは.発色を保存したいのか,それともモノとして作品を考えられているのか.展覧会に行ってみたくなりました!東京出張ないかなぁ…しかも時間的な余裕のある出張….
2007/03/14
キティ 写真集を買おうか迷っているのですが、おすすめはどれですか?教えて下さいm(_ _)m
2007/06/28
De Stijl キティさん,お返事が遅くなって申し訳ありません.言い訳ですが,日記に書いたとおり,お知らせが凄まじい数で対応できず….おすすめは「ア・ピース・オブ・ヘブン」です.ちょっと前の写真集ですが,装丁がとても素敵で,彼女らしさを感じます.もう買われてしまわれたかもしれませんが,2冊目にでもぜひ.
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