よじょうはんしんわたいけい
四畳半神話大系
先日、渋谷のブックファースト2Fで、「四畳半神話大系」という本が平積みされているのを発見。手にとってどれどれ……、と読んでみると、最初から最後まで徹頭徹尾、主人公の耽美派な(?)愚行が、四章立てにして綴られている。あわあわと一目ぼれして購入しました。
帯に、本文からの抜粋がある。「大学三回生の春までの二年間を思い返してみて、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。」
カフカ、安部公房、町田康など「振り回される文学」が好きなら絶対オススメ。装丁も、この画像ではクマが目立って子どもっぽいけれど、実物はそんなことはまるで無し。黄色に見えるこの色、実はからし色のつや消し装丁で、本文も珍しい縦書き2段組。「である」などを多用した書体も含めてなかなかに文学全集のような趣があるのがポイントです。
ちなみに第一章のタイトルは「四畳半恋ノ邪魔者」。「みそぎ」などという映画サークルに入った男が、卑劣な手段を使って他人の恋路や生活を邪魔し、邪魔されていく様子が細かく描かれています。これを描き切ってしまう時点で正気の沙汰ではありませんが、不毛さは微笑ましいです。
京都大学を舞台に鴨川、下鴨神社、叡山電車など京の町に溶け込んだノスタルジックな文化が描かれているためか、それとも文学的で精巧な文体のためか、明治を想起させるところが個人的にお気に入り。読み終えた後も書棚に飾っておきたくなる一冊。四畳半を基地に生活を営む京大生の、神話的愚行奇譚。
- 価格: 1680円
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ISBN:
4-87233-906-1

商品を見る - 発売元: 太田出版
- 年(代): 2005年1月12日
- 人名: 森見登美彦
- 2006/10/02更新
- 2006/10/02登録
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