ドッグヴィル
出演:ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、クロエ・セヴィニー
監督:ラース・フォン・トリアー
+ 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などのデンマークの異才、ラース・フォン・トリアー監督による衝撃作にして問題作。アメリカ・ロッキー山脈の村に、ひとりの女グレースがギャングに追われて逃げ込んでくる。初めは彼女をいぶかしむ村人たちだが、2週間で村人全員に気に入られることを条件に村に留まることを承認。献身的な肉体労働をこなすグレースだが、警察に手配されていることが発覚し、事態は急転する。
もっと、精神的に衝撃がくるタイプの映画かと思って、今まで敬遠していたのだけれど、見てみると意外にそうでもなくて安心した。
とにかく、「映画」というジャンルでは括られないタイプの作品である事は間違いないと思う。
どちらかというと、舞台を見ているのに近い。
舞台だと、一人の人間にスポットが当たっていても、他の登場人物たちは動いたり喋ったりしている。それに似ている。
この映画も、ニコールキッドマン演じるグレースがレイプをされていても他の登場人物たちは普通に生活をしているのだ。
家から囲いをとると、こんな感じなのだろうなぁと思う。
すべて周りの目にさらされるモデルルーム、というような感じもした。
狭い人間社会において、人々の思考や嗜好というものは、単一であり乱されることはあまりない。
それは多分私が住んでいる県や田舎の村なんかにも共通していることなのではないかなぁと思う。
独裁政治を行っている国を凝縮するとこういう風な感じの「村」になるのではないだろうか。
私は見ている間中、村人たちが鬱陶しくて鬱陶しくて仕方が無かった。
女というものは、何も無くなったら投げ出せるのは体しかないのだろうかとも思った。
なので、最後の展開は本当にスカっとして、いい終り方だったなぁと拍手すらしたくなったのだけれども、結構衝撃的!って思う人が多いのだろうなあ。
どこか、狭い村から逃げ出して都会に出たい若者、をグレースに置き換えて描いているような気もした。逃げ出したくても逃げられない。首には鎖を巻かれて、おもりをつけられ、それが足かせになって、歩けない。
村人中から見られている。
閉鎖社会の恐ろしさも描かれていた。
この、家はチョークで描いただけ、犬も絵だけ、それだけで、演技をする俳優たちは本当に凄いと思ったのだけれども、途中で頭がおかしくならないのかそれも心配だった。
私だったら後々まで引きずりそう。
ニコールキッドマンは、凄い。
他の俳優も凄かったけれど、一番凄かったのはニコールキッドマンだったな。
もっとお色気女優で演技派だとは思っていなかったので、新しい発見だった。
貧しい平凡な女性が日々の暮らしの中でミシンを踏んで服を作っている向こうではレイプされている女がいる構図、というのがなんともシュール。
怖いけれどもなんだか人間の心の奥の残忍さみたいなものも呼び起こされそうな映画だった。
多分誰でももっているであろう、残酷でどす黒い感情みたいなのに火をつけてまわっているような、そんな印象も覚えた。
http://www.gaga.ne.jp/dogville/...
- 2006/10/09登録
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