にほんの建築家 伊東豊雄・観察記
簡単に説明すると、日本における建築家という職業の事がよく理解できる解読書みたいなもの。
特に伊東豊雄という人物に対してよく分かります。
多分、未だに彼の建築物には触れていないのですが、少しばかりはその建築の存在を味わえるものではないかと。
建築も絵画も、写真や文章だけじゃ確かな印象は楽しめませんが。。
自分がなりたかった職業に建築家ってのがありました。
自分の住む家を自分で建てれるって事にとても魅力を感じます。
今でもその夢は捨てていませんが。
ともあれ、この結構分厚い一冊。とても分かりやすく建築家という職業が理解できます。
そしてその職業の過酷さとスケールのデカさ、なにより関わる人の多さに驚嘆します。
この本の帯にかかれたキャッチコピー。
「アーキテクトとは、チャンスがあれば世界の果てまでも出かけてコンペを競うK-1ファイターのような存在である」
と述べられています。
そのアクティブさたるや、尋常じゃない。
その言葉にウソや大袈裟さはありません。本当に世界相手にコンペをそれこそ全勢力を注いで戦っています。
そこまでするのか?そこまでできるのか?というくらい。
必死の想いと行動で勝ち取ったいくつかのコンペ。
代表作としてせんだいメディアテーク、まつもと市民芸術館、Tod's Omotesando、ふくおかアイランドシティ中央公園などなど。
国内外にまったく留まらず世界中を駆け巡ってます。
台湾やスペイン、パリ、遠くはチリまで。
建築以外にもプロダクトも多く手がけ、海外の家具メーカーに名を連ねています。
大学の授業や講演会なども行い、その動きは縦横無尽。
事務所から巣立っていった建築家も多数。
みかんぐみの曽我部昌史、SANAAの妹島和世、ヨコミゾマコト等々。
この著書にもたくさんの関係者が登場します。
彼らの伊東論を読むのだけでもおもしろいです。
ただ華々しい成功の事例だけではない。その背景には恐ろしいほどの敗戦があるのです。
挑戦と期待、そして落胆の日々を繰り返すのが建築家なのか、と著者は説いています。
勝っても負けてもコンペは「その後は地獄」なんだと書いてありました。
それでも考え挑戦することをやめない。
世界を相手に戦うファイターの言葉だと思いました。
ちなみにブックデザインはアジール・デザイン。
伊東建築パターンをニスで真っ白の表紙に飾り、蛍光色の帯がとてもおもしろく映えています。
内容に加え、デザインも好きな一冊です。
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