関心空間はブックのクチコミも満載!

新着

... もっとみる
ログイン | ユーザー登録(無料)

松井今朝子「仲蔵狂乱」 (ナカゾウキョウラン)

 稲荷町(端役専門の役者)の身から、千両役者にまで上りつめた役者中村仲蔵の生涯を描いた小説。仲蔵というと忠臣蔵五段目の定九郎役の工夫についてのエピソードが有名で落語や巷談にもなっているが、この作品は孤児からのし上がっていく過程での困難や葛藤、芸での苦労を爛熟した江戸の文化を背景に描き出している。中村仲蔵の伝記小説としてはもとより、キッチリとしたけれんみのあまりない着実な記述で一人の役者の生き様やその周辺の人々を描き出す時代小説として成立している。
 作者の松井今朝子は松竹でさまざまな芝居のプロデュースに携わったあと、ぴあの「ぴあ歌舞伎ワンダーランド」やCD‐ROM版の歌舞伎入門など、歌舞伎の入門書類では良質なものを送り出した人。だから、歌舞伎関係の記述については安心して読むことが出来る。今は歌舞伎からは距離を置いており、すっかり時代小説家であるが、また歌舞伎の仕事にかかわって欲しいと心より願う。

 余談だが、松本幸四郎の「夢の仲蔵」シリーズ第一作目は、荒俣宏に脚本を依頼したところ、上演不可能な脚本が出来上がり、困ったスタッフは急遽、この本を参考に脚本を作り変えたらしい。

2007.7
作者の松井今朝子さんが「吉原手引草」で直木賞を受賞されました。おめでとうございます。

 
 

Rume画像 投稿者:
Rume
詳細情報
  • 講談社文庫
  • 価格: 752円(税抜)
  • 人名: 松井今朝子
  • 原題: 「仲蔵狂乱」
  • 2007/07/18更新
  • 2006/10/26登録
  • 972クリック

ソーシャルブックマーク

  • このページを含むはてなブックマーク
  • このページを Yahoo! bookmarks に登録する
  • このページを del.icio.us に登録する
  • このページを livedoorクリップ に登録する
  • このページを POOKMARK Airlines に登録する
  • このページを Facebook に登録する

このキーワードはコレクションに選ばれています(1)

このキーワードはコミュニティに選ばれています(1)

コメント (2)

2006/10/26

お。面白そうですね。中村仲蔵は浮世絵にもなっているし、世襲制度以外から出世したのはこの人の他に1名だけとか。すごい役者がいたんですね~。映像が残る時代じゃなかったけど、見てみたかったなあ…。荒俣宏の上演不可能な脚本というのも読んでみたいです。

2006/10/28

Rume この本は小説ですが、作者が作者だけにきちんとした評伝としても読めると思います。仲蔵は、声や台詞回しはイマイチだったけど、踊りは絶品だったようです。芝居町に生まれ、仲蔵の養母が踊りの先生だったこともでかいですね。養父は義太夫だったかな?現代でも、門閥外から歌舞伎の世界にはいる人は、舞踊の家のこだったり小さい頃から踊りを習っていたりすることが多いですね。荒俣の上演不可能な脚本って、どんなものだったのか。まあ、芝居を知らない人が書いたものなので、おいおいって、感じだったのでしょう。荒俣が普段お芝居を見ることもなさそうだし。

つながりキーワード (4)

1958年兵庫県尼崎市生まれ、大阪府枚方市出身の小説家。 1999年、市井物の時代小説「しずり雪」で第三回長塚節文学賞を受賞。刊行されているのは『しずり雪』 と『夜半の...

帯にもある通り、還暦を過ぎてから歌舞伎にハマった筆者が素朴な疑問と素朴な感想を日綴った本。その素朴さゆえ、視点が今の私と似たようなところにあって面白い時もあれば、え?そん...

中村仲蔵が、ここにお参りしたあと五段目の定九郎のキャラを思いついたとか。現、法性寺。 この境内には、江戸城の鬼門除けとして置かれた妙見堂と影向松と呼ばれる松の古木があった...

 情報誌のぴあが作った歌舞伎のムック。歌舞伎を見始めたころに買い、未だにお世話になっているこの本。初心者向けというだけでなく、なにしろ間口が広いのだ。  舞台写真もたく...

携帯でこのページにアクセス

松井今朝子「仲蔵狂乱」

2次元バーコード対応の
携帯で上の画像を読み
取るとアクセスできます

トラックバック (0)

まだトラックバックされていません。

トラックバックURL
http://www.kanshin.com/tb/keyword-1034374

キャンペーン