デニス・ホイートリー 黒魔術小説傑作選 第3巻 『娘を悪魔に』
デニス・ホイートリー・著 根本政信・訳 国書刊行会
+出生時に呪をかけられ、昼間は純情無垢だが夜は自由奔放な正確に変貌する謎の美少女。偶然、彼女と知り合った女流スパイ作家モリーとその息子は、彼女を付け狙う悪魔主義者コープリイ・サイクル率いる悪の組織を知ってしまう。サイルの目的は処女の生血を使いホムンクルスを創ること。やがて対魔術戦のプロ、ヴァーニー中佐の助力を得たモリー母子は、英仏海峡を股に駆けて美少女争奪戦を繰り広げることに・・・。
このシリーズ、1巻も2巻も面白かったので3巻も借りてみた。
やはり面白かった。
絶版なのが勿体無いぐらいエンターテイメントに溢れてる古典文学である。
黒魔術に関しては、あまり詳しくないので、へーほーなどと思いながら読んでいたのだけれど単語単語としては知っているものも多々出てきた。
サバト、ワルプルギスの夜、カバラ、五芒星、聖水、十字架、などなど。
展開としては王道なのも面白い。
娘は悪魔にとりつかれてる状態なのだけれど、教会に入れなかったりだとか十字架に触ると火傷をしたようになるのだとか昼は従順で夜は淫らな女性になってしまうのだとか。
今回は結構グロテスクな場面もあった。
ホムンクルスを作る場所の描写なんかは、かなりグロかったように思う。
でもこれ、児童文学にしてもいいのではないか、というぐらいわかりやすくて面白い。
訳も誤値がかなりあるのだけれどそれも何だか微笑ましい。漢字が間違ってるところも多々あり。
今のところ全7巻読むのが目標なので、これからどんなデニス・ホイートリーワールドを繰り広げてくれるかというのも楽しみ。
それほどわかりにくい悪魔小説というのでもないので(殆ど推理と冒険劇のような気もする)
誰にでも薦められる小説だと思う。
訳が全然不自然じゃないのも良い。
日本語で初めから書かれてる物語のように自然に翻訳されている。
敵とC.B.(捜査官)の騙しあい会話なんかも見所。
登場人物も魅力的である。無鉄砲なジョンに、戦時中はスパイとして働いていたけれども戦後作家になったジョンの母親(それなので、武器博物館なるものを所有しており、かなり機転が利く格好よい女性)、C.B.の信頼のおける友人マルエ警部。などなど。
敵方のサイル(聖職者の顔をした悪魔主義者)なんかも阿呆っぽくて笑える。
黒魔術を施す場面なんかは鳥肌がたってワクワクした(単に私がそういうの好きだから、というのもあるだろうけれども)
復刊ドットコムでも投票を集めている模様。
http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?...
- 2006/11/15登録
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