カソノブラク
過疎の部落
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法事で父親の田舎に行ってきた。
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子供のころから盆と正月には必ず帰っていた田舎である。山奥だが、当時は週に一本のバスもあった。何でも売ってる店もあった。夕方にはあちらこちらの茅葺き屋根から夕餉を煮炊きする煙が上がっていた。
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今では過疎化で、近隣にももう数人の人間しか住んでいない。お店ももうない。道も川もお墓も草に覆われかけている。除草が追いつかないのだ。栗の木も柿の木も痛み放題。若い人はみんな出ていった。残って百姓をやり、道や川や里山の手入れをしていたものは、ほとんどが死んでしまった。もちろんウチのおじいちゃんとおばあちゃんも死んでしまった。
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おじいちゃんの後にくっついて歩いて、イモリをとったりクワガタをとったり、川で泳いだり、おばあちゃんと一緒に鶏小屋に玉子を拾いにいったり。竹を切って竹馬を作ってもらったり餅搗きをしたり、雪山にウサギを撃ちに行ったり、ひとりで小川をずっと見てたり。外にあるトイレはイヤだったけれど楽しかったんだけどなあ。おじいちゃんとおばあちゃんと近所の人のいない田舎はぜんぜんつまらない。
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人は死んだりしないといいのになあとか、しみじみ考えちゃいましたね。もっともウチの中にご先祖さまがうじゃうじゃいるのはイヤだけど(笑)。
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- 2002/05/17登録
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