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ドラえもん 最終回 (ドラエモン サイシュウカイ)

  • ドラえもん 最終回の画像

昨年、友人との間で、「ドラえもん」をテーマにしたディベートを行ったのを思い出す。

その題目は、「ドラえもんは未来に帰るべきか否か」
是と非に別れ交わされた討論は、いずれも譲らない喧々朗々としたものだった様に思う。
「ドラえもんはのび太にとってかけがえの無い友人であり、存在である」
「否、のび太の成長のためにも、別れ、ドラえもんは帰るべきである」

ディベートにおける立場はさておいて、
その質問に対する答えが、自分の中では出なかった。
時の流れに鎮座するドラえもんは、一体何者だったのか?
のび太にとって、そして僕にとって。

今、その疑問への、一条の光となるような二次創作がある。
http://blog30.fc2.com/y/yonehan/file/...



(以下はサイトを閲覧してから読むのをオススメします。ネタバレあり)

何故ドラえもんだけ過去への干渉が許されたのか、ドラえもんとは何だったのか、その真っ当な疑問に丁寧に近付こうとしているのが素晴らしい。
ドラえもんの耳や、のび太の誠実さとひたむきさ、タイムパトロールの謎、物語の各所に仕掛けられたタイムパラドクス、出来杉の傍観者的な立ち位置、現実の僕達の世界とドラえもん世界の乖離(と接着)など、これまで幾つか見たドラえもんの二次創作の中でも、最も優れてドラえもん世界に散らばる断片を回収している。
映画ドラえもんの近作より、余程ドラえもん世界を再構成し得ているのではないだろうか。
そして特筆すべきは、ドラえもん世界のヒューマニティーを損なうことなく湛え、なお二次創作故の作品世界への愛情にさえ溢れていることだ。



ドラえもんは動きを止める。
未来へ帰るべきか、それとも帰らないべきか、
その決断をのび太も周りの人間も、ドラえもん自身も行うことなく。

そして、永遠の小学生、のび太の止まった時間は、ドラえもんの停止と同時に動き出す。
未来にも帰らず、友人としてそばに居続けることも出来なかった、
ただかけがえの無い存在であるドラえもんが再び動き出すことを願って。
そして、幾年月、ドラえもんは未来に辿り着くのである。
他ならぬ、のび太の手で。
止まった時間はいつか動き出して、それは未来へ繋がる。
それは歩むこの道が、いつか未来へと続くということでもある。

「ぼくが…」
停止したドラえもんの前で、のび太が呟く。
そう、「ぼく」なのだ。
「ドラえもんは未来に帰るべきか否か」に僕は答えを出すことは出来ない。
ドラえもんは今でも藤子不二雄の作り出した四角いコマの中で、20世紀という同じ時間をぐるぐると生きている。「2006」と呼び名を変えても、線がゆるゆるになっても、もう僕は新たにドラえもんをトレースすることは出来ないのだ。
ドラえもんは停止したまま、ぼくの中にただ居続ける。
ぼくが問うべきなのは、
ぼくやのび太がドラえもんを前に問い続けなければならなかったのは、
「ぼくが」未来に進むべきか、だったのではないか。



藤子・F・不二雄先生が逝去して久しい。
その後の大長編ドラえもんやその主題歌は、もう僕の心を捉えなくなった。
奇しくも彼の死は、ドラえもんを見て育った僕達に、 のび太にとってのドラえもんの停止と同じ意味を与えた様にも思う。
のび太は僕であり、僕はのび太であるという暗黙の自同性が再び起立する。
ドラえもん世界に生きたその半身は、来世紀という「未来」に向けて強い夢と希望を抱く。
そうして彼の残した宿題は、進むべきストーリーを示し続けるのだ。
僕たちが年老いて、いつかまた青い落ちこぼれのネコ型ロボットに再会することのできる、「未来」に届く、その日まで。

ずっと後回しにしていた宿題を、もう僕は始めなければならないみたいだ。

ドラえもん 最終回

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sandy画像 投稿者:
sandy
  • 2006/11/29登録
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