フタリ
ふたり
昨日、五反田映画祭に参加して、久しぶりに「ふたり」を観ました。
実加には何でも良くできる姉の千津子がいたけれど、不慮の事故で死んでしまう。ところが、実加の危険に際して幽霊の千津子が現れて実加を助けてくる。それから実加にだけ千津子が見え、どじな妹の実加に寄り添うように現れては相談に乗ってくれるようになる。
子どもだった実加も、自殺未遂したクラスメイトを助けたり、ピアノの発表会を乗り越えたり、千津子と間違われて出会った青年と淡い恋をしたり、こころに病を持つ母を助けたり、演劇部の主役を巡る嫉妬と駆け引きに巻き込まれたり、と様々な出来事を姉のサポートも受けながら乗り越えていく内に、少しずつ成長して行き、ついには姉の助力もいらなくなるほどしっかりしてきた‥‥。
つまりは実加の成長物語が軸なのだけれど、それは同時にもう成長できない、時が止まった千津子の物語でもある。実加の成長物語に寄り添うように、喪失の物語として、ポジ(実加の物語)に対するネガ(千津子の物語)が同時に描かれている。
今回はそのネガとしての千津子の物語がひときわ胸に染みました。物語の最後、父の不倫が明らかになる家族の危機の中で、実加は言ってはならないひと言を千津子に言ってしまう。家族の危機はなんとか乗り越えられ、その安堵感の中でふと、我にかえった実加は千津子を探すが、そのとき既に千津子は‥‥。
ラストシーン。千津子が事故死した坂(花が添えられている)を登っていく実加の後ろ姿のストップモーション。エンディングテーマが流れ始める。
実は、その後ろ姿の演技は、石田ひかりさんではなく、中嶋朋子さんなんだ、とどこかで読んだっけ。
- 2006/12/02登録
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