サンタクロース
「サンタクロースの秘密」
フランスの文化人類学者、レヴィ=ストロースによるサンタクロースの謎を文化人類学的に解き明かすエッセイ「火炙りにされたサンタクロース」と中沢新一本の内容に絡んだエッセイを収録。
hama。さんの日記でのクリスマスの話題で思い出したのだが、クリスチャンの母を持つ我が家ではサンタクロースが迫害されていた。(なぜだかは後で述べる。)
幼稚園から小学生低学年の間に、サンタが来る家庭の子供達は本当はサンタはお父さんなんだと悟り始めるものだが、そういう以前の問題だよ、母さん!とはいえ、まったくクリスマスの余得にあずかれなかったというわけではなく、決まってクリスマスには「自分で何か買いなさい」と母がお小遣いをくれた。我が家では物心ついた頃からクリスマスプレゼントは現金だ。
仏教徒の家庭に比べれば、クリスチャン家庭で育った私はむしろ人一倍クリスマスを楽しんでいてもよさそうなものなのに、なぜこんなことになったかというと、それにはわけがある。それは、キリストはクリスマスに生まれた。それは祝うべきだが、なぜそこにサンタが出てくる?という、母のある意味もっともな疑問からである。確かに、新約聖書のキリスト生誕のエピソードにはサンタのサの字もでてはこない。中には「聖ニコラウスでしょ?」という人もいるだろうが、プロテスタントの母に聖人崇拝の念はないし。
この本に出てくるカトリック国のフランスの場合、第二次世界大戦後からクリスマスをハデに祝うようになってきたのには、どうやら戦後マーシャル・プランとともに流入したアメリカ文化の影響らしい。サンタは、フランスで文化摩擦を引き起こし、ある時などは子供達の前で火炙りにされた。サンタというのは、キリスト教の中で真面目に考えると、実はけっこう座りの悪い概念なのである。
この本を読むと、今までサンタに対し感じてきた違和感にある程度納得がいくというものだ。レヴィ=ストロースの書いたものの中でも比較的短くて軽いものだし、わかりやすい。というわけで、ある意味最高に季節外れだが、キーワードに入れてみた。
最後に
「...たぶん私たちは完全には、サンタクロース幻想を、共有することはできない。それなのに私たちは、この幻想を守る努力をやめない。なんのために?たぶん、私たちは、その幻想が他の人々の心の中で守られ、それが若い魂に火を灯し、その炎によって、私たち自身までが温められる、そんな機会を失いたくないのだ。私たちは、このおもちゃはあの世からの贈り物なんだよ、と子供達に教える。しかし、実際には、私たち自身がそうした贈り物をあの世に届けたいとひそかに欲望しているのではないだろうか」
リンク先いきなり音声がでますので注意!
サンタに成れ!
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