Essential Painting / NIMAO
エッセンシャル・ペインティング / 国立国際美術館
もう終わってしまった展覧会ですが、個人的には2006年後半の大本命だったので、自己満足っぽいのですがキーワードにしてみました。
かつて「絵画の死」もしくは「美術史の終焉」は、何度叫ばれてきたことでしょうか。マルチカルチュアリズムそしてポストヒストリカルな状況下での、新しい絵画表現は90年代後半から現在にかけて欧米で台頭してきました。それらは、モダニズムの行き詰まりから解き放たれた、明るく表現の可能性を諦めない前向きな気運が備わっているものでした。日本でも、じわじわとその影響力が伝わってきつつも、今回のように実際の作品が国内で紹介される機会は実は殆どなかったのです。
作家はいずれも国際展の最前線で活躍する旬な作家達ばかりです。展覧会では、各作家ごとにブースに仕切られ、13人の個展を同時に鑑賞するような感じでした。…とにかく充実していました! 新しく、はじめて出会う、視覚体験。とてもじゃないけど、「眼」が追い付かないのです。視覚から何かを認知することがこんなにも力がいるなんて…大阪在住だったら、一日一作家を鑑賞するくらいのペースでゆっくり贅沢に味わいたかったです。この展覧会が開催されることにより、この作品群を生で鑑賞した美大生や若いアーティスト達に今後どのような影響がでてくるか、どんなムーブメントが生まれ得るのか。ペインティングに限らず、多くのクリエイティブな分野にどんな影響があるのか…想像すると、わくわくします。明るい希望を抱いてしまいます。この明るさが00年代的、21世紀的ではないかと(個人的には)感じられるのです。
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出品作家は以下の通りです。…名前だけあげてもさっぱり、だと思い作品画像が見られるサイトを各作家ごとにリンクしました。(でも、勿論絶対、実物をみたほうがよいのですが)
マンマ・アンダーソン Mamma Anderson(スウェーデン 1962-)
http://www.contemporary-magazine.com/...
時間と空間の断片と再構成、演劇性
セシリー・ブラウン Cecily Brown(イギリス 1969-)
http://www.saatchi-gallery.co.uk/...
地と図の関係性の崩壊
ジョン・カリン John Currin(アメリカ 1962-)
http://www.fogless.net/artreview/...(日本語)
http://www.gagosian.com/exhibitions/...
伝統的なものの再解釈、キッチュ
ピーター・ドイグ Peter Doig(イギリス 1959-)
http://www.saatchi-gallery.co.uk/...
内なる物語性、遊牧民(ノマド)的なるもの
マルレーネ・デュマス Marlene Dumas(オランダ 1953-)
http://www.fogless.net/artreview/...(日本語)
http://www.saatchi-gallery.co.uk/...
エロスとタナトス、技法、美術史
ベルナール・フリズ Bernard Frize (フランス 1954-)
http://www.recirca.com/reviews/2005/...
技巧とオリジナリティの果て
アレックス・カッツ Alex Katz(アメリカ 1927-)
http://www.alexkatz.com/
モダニズム時代に獲得し得た個性
ミッシェル・マジュリュス Michel Majerus(ドイツ 1967-2002)
http://www.the-artists.org/...
大衆的イメージの氾濫と変化
ローラ・オーエンズ Laura Owens(アメリカ 1970-)
http://www.crownpoint.com/artists/...
再現性と抽象性、装飾
エリザベス・ペイトン Elizabeth Peyton(アメリカ 1965-)
http://www.dailygusto.com/blog/...
憧憬の提案(ポップカルチャーの再解釈)
ネオ・ラオホ Neo Rauch(ドイツ 1960-)
http://www.davidzwirner.com/artists/...
(紡がれていた)伝統と独創性
ヴィルヘルム・サスナル Wilhelm Sasnal(ポーランド 1972-)
http://www.saatchi-gallery.co.uk/...
題材の選択と断片化された世界観
リュック・タイマンス Luc Tuymans(ベルギー 1958-)
http://www.saatchi-gallery.co.uk/...
記憶と連想 筆跡と色彩
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(おまけ)カタログに掲載されていた、デュマスのテキストが素敵だったので一部引用します。(カタログは残念なことに最終日に完売したそうです)
エッセンシャル・ペインティング
…絵画は制作段階には鑑者を必要とせず、むしろ、霊感を与えてくれる恋人を必要とする。しかしいったん完成すると、鑑者は絵画の新たな恋人となる。最も大切(エッセンシャル)なものを手に入れるには、恋に落ちねばならないのだ。
マルレーネ・デュマス
絵画と対峙するには…本気であたらしい視覚体験、新しい価値観を自身に取り込みたいと思ったら、それには恋に落ちる時のようなある種の無防備さや陶酔、全身全霊でゆだねるような感覚(覚悟?)が必要なのかもしれません。(しかし、これって女性的な恋愛観かも…!?)
国立国際美術館 2006/10/3 - 12/24 (終了)
http://www.nmao.go.jp/japanese/...
- 2007/01/03更新
- 2007/01/03登録
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