関心空間はアートのクチコミも満載!

新着

... もっとみる
ログイン | ユーザー登録(無料)

木村伊兵衛のパリ / Kimura Ihei in Paris: Photographs, 1954-55 (Kimura Ihei in Paris: Photographs, 1954-55)

  • 木村伊兵衛のパリ / Kimura Ihei in Paris: Photographs, 1954-55の画像

この冬、銀座でふたつの「木村伊兵衛が撮ったパリ」をテーマにした展覧会が開催されています。リニューアルオープンしたエルメスのギャラリー、メゾンエルメス8Fフォーラムで1/21まで開催中の「木村伊兵衛のパリ」と、ライカ銀座店にて同じく1/21まで開催中「Paris / Ihei Kimura」です。どちらかでも勿論よいのですが、ここは是非同日に両展を鑑賞することをお薦めしたいのです。


エルメスでは、カラー作品が展示されています。これらは54年、木村が富士フィルムの開発中のカラーフィルムを寄贈され、それらを使ってパリで撮影された作品群です。この渡仏の際、木村はブレッソンにドアノーを紹介されたりと、写真に関してのあらたな刺激を受けることになります。カラー写真が世の中で評価されはじめたのは70年代以降ということを考えると、この50年代のカラー写真はそれだけで評価され得るものですが、写真といえばモノクロという価値が当たり前だった当時、木村のカラー写真はあまり受け入れられなかったようです。そのため近年になって発見されたポジフィルムは劣化が激しく、今回の展示にはインクジェットプリントが使われています。


また、展覧会の空間デザインは、ドイツ人のインダストリアルデザイナー、コンスタンティン・グルチッチ氏が担当。額装した写真をオリジナルのガラステーブルの上に並べるなど、とてもカラフルな展示空間になっています。(ですが、コアな写真ファンの方からは「こんなのは写真展ではない!」という意見もあるんですよ…というのはエルメスのお姉さんの談)


少しノスタルジックな色合いの50年代のパリの風景は、知っているようで見たことのない不思議な風景でした。当時の様子がカラーで記録されたものが極めて少ないから当然なんですが… だからなのか、それとも撮影者の目線の問題なのか、私にとっては何か独特の距離感を感じる写真でした。写真とは、はたして「記録」なのか「記憶」なのか…


一方ライカ銀座店では、上記の渡仏時のパリの街を撮影したモノクローム写真が展示されています。カラーでは当時のパリの風俗が垣間みれるデティールに目がいってしまうのに比べ、モノクロでは全体の空気感に目がいくような気がします。同じ人が撮影した同時期のものなのに、こんなに違うものなんだと…あらためて気が付かされました。14点しかありませんでしたが、どれも素敵でした。


- - - - - - - -
木村伊兵衛は1901年東京・下谷生まれ。輸入されたばかりのライカをいちはやく手にし、30年代の東京を撮って以来、戦後の報道写真や馴染みの下町の様子を、スタイルに捕われず撮り続けました。昭和初期には写真雑誌「光画」を伊奈信男らと創刊。1950年に日本写真家協会を設立、会長に就任。1974年、日暮里の自宅で逝去するまで「カメラを持つ人」であり続けました。
 

写真に大切なのは「イキ」だと語ったのは木村の言葉。


自身のカラー写真が時を経た現代、このように受けとめられているとはまさか本人は想像だにしていなかったと思います。ですが、「イキの精神」を持ってすれば、どんな素材に焼かれていようと写真の(イメージそのもののもつ)美しさが損なわれることはないと…きっとそう思われると思うのです。写真のもつ不思議さ、時をこえて伝わる魅力をあらためて感じる両展でした。


- - - - - - - -
メゾンエルメス8Fフォーラム「木村伊兵衛のパリ」10/28 - 2007/1/21
中央区銀座5-4-1 tel: 03-3569-3611
open: 11:00 - 19:00
close: 12/30 ~ 1/2, 1/17
入場無料

- - - - - - - -
ライカ銀座店  木村伊兵衛写真展「Paris」10/28 - 2007/1/21
中央区銀座6-4-1 tel: 03-6215-7070
open: 11:00 - 19:00
close: 月曜日、及び12/30 - 1/4
入場無料
http://www.leica-camera.com/...

- - - - - - - -
展覧会に先だって写真集が刊行されています
『木村伊兵衛のパリ』 発行:朝日新聞社 定価:14,700円(税込)
http://www.osiris.co.jp/...

プーク画像 投稿者:
プーク
  • 2006/12/29更新
  • 2006/12/29登録
  • 1817クリック

ソーシャルブックマーク

  • このページを含むはてなブックマーク
  • このページを Yahoo! bookmarks に登録する
  • このページを del.icio.us に登録する
  • このページを livedoorクリップ に登録する
  • このページを POOKMARK Airlines に登録する
  • このページを Facebook に登録する
  • 関心AWARDS2006

このキーワードはコレクションに選ばれています(1)

コメント (8)

最新コメント5件

2006/12/29

プーク みなさん、コメント有難うございます。>umiumiさん、そうですね、会期が長いとついうっかりしちゃいますよね…是非是非。 >musicmenさん、はじめまして。ライカの方は5日からの営業のようです、せっかくなので是非エルメスとあわせて行かれるとよいと思います! >Himajinさん、そうですよね…巡回する価値のある展覧会だと思います。カラーのパリ作品の方は写真集にもなっています、もしよろしければ是非そちらもどうぞ。(これはこれでかなりのヴォリュームがあって、雰囲気のある素敵なつくりでしたよ!)

2007/01/21

たかはし プークさん、こっそりブックマークしておいて慌てて21日の本日行ってきました!エルメスはずいぶん変わった展示でびっくりしました。あれがポジフィルムだったら、、と思いながら見てきましたよ。よい写真の歴史の勉強にもなりました。ライカフォトサロンも初めて行って楽しかったです^^。ありがとうございました。

プーク たかはしさん、コメントとトラックバックも…!有難うございます!お役にたてて何よりです。そうですね、エルメスの展示は風変わりでしたよね(笑)ふたつを同日に見るのは、やっぱりいいですよね…私もこれを知らなかったらライカフォトサロンに行くことはなかったかもです(あそこ、とても敷居が高い外観なので…)よい企画でした。

2007/03/31

カオナシ 関心AWARDS2006 25選、おめでとう御座います。 さすがプークさんですね。

2007/04/01

プーク カオナシさん、コメント有難うございます。まさか選ばれると思ってもみなかったので、驚きつつ軽く動揺しています…他にもっと相応しいKWがあったと思うのですが、、なんだか恐縮です。

つながりキーワード (7)

荻須高徳

  • (東京會舘)

※こちらのイベントは終了しております。 ★東京會舘ギャラリー オギスのパリ/荻須高徳版画作品展★ 4月7日(土)~21日(土) (日曜休廊) 戦前・戦後を通じフラン...

写真家 土門 拳の著書。 写真にまつわる奥深いコメントが読める。 "ぼくの写真に対する考え方を述べたものだけ集めた。いま読み通してみると、前後に矛盾したことも言ったりして...

木村伊兵衛

  • (フミコ)

1901年東京の下谷金杉上町生まれ.父:木村伊兵衛一も写真家として有名.台湾で営業写真を学び,日暮里で営業写真館を開業.「ライカ」等の小型カメラを用いて,東京下町の庶民生...

木村伊兵衛賞カメラマンは何人か知っていますが、実際の木村さんの作品はほとんど見たことが無く、土門拳の作品も久し振りに大判で見たくて、土門拳記念館に行ってきました。 比べ...

久しぶりに写真展を見に行ってきました♪ 会場も広くてかなり見ごたえがありました。 やっぱ佐内正史さんの写真は好きだなぁと再確認。 中野正貴さんの写真も最近すきです☆ 個人的には「東京窓景」の...

写真家の木村伊兵衛(1901-1974)。ライカの天才。 日常を本当に厚く切り取った写真が印象的。一枚に映画一本分くらいの物語や息吹がある。 現在竹橋の国立近代美術館で写真展開催中。 12月...

日本で最高の写真家木村伊兵衛。 木村伊兵衛賞って言うと、日本で最高の写真賞としてすごく有名だし、皆さん知ってらっしゃるでしょう。 ただ、実は僕はこの人の写真ってテレビ...

携帯でこのページにアクセス

木村伊兵衛のパリ / Kimura Ihei in Paris: Photographs, 1954-55

QRコード対応の携帯で
上の画像を読み取ると
アクセスできます。

トラックバック (2)

木村伊兵衛のパリ / Kimura Ihei in Parisに行ってきた。

  • たかはしの日記 | Tracked: 07.1.21 9:34 pm

プークさんのキーワード[木村伊兵衛のパリ http://www.kanshin.com/keyword/...]…

オータニ→虎屋→メゾンエルメス→ライカフォトサロン→松屋→東...

  • 食べる・歩く・食べる・歩く | Tracked: 07.1.21 9:09 pm

お昼に、およばれでオータニの「伊勢廣」という焼き鳥やさんで妹とごはんをいただく。焼き鳥も美味しさもさることながら、鳥のスープがこれまた美味な贅沢なおひるごはんでした。オータニを出て...

トラックバックURL
http://www.kanshin.com/tb/keyword-1070732

キャンペーン