逢坂みえこ「たまちゃんハウス」
逢坂みえこによる上方落語一家をテーマにしたマンガ。現在雑誌「コーラス」で不定期連載中。一話完結の連作短編として読めるウェルメイドなお話。
上方落語の家に生まれた珠子は、自分の家で孤立していた。父は噺家、母は三味線の囃し方、内弟子が二人という落語に囲まれた環境のなかで自分だけが落語に関わっていない。この物語は、主に家族の中で一人だけ落語から距離を置いた珠子の視点で描かれる。
父の桜花亭春福の弟子は全部で3人。内弟子の春々は上がり症で地味、暗い性格で、実力を発揮できず、高座での人気はイマイチ伸び悩んでいる。一番下の弟弟子白春は落語はまだまだだが、ひたすら明るい性格でヴァラエティー番組で活躍中。内弟子の二人は本物の兄弟のように仲がよい。一番上の大学落研出身の兄弟子早春は、そつがなく本業の落語に司会となんでもこなし、師匠のことを一番尊敬してるが、キッチリした小賢しい性格ゆえに師匠には嫌われている。
基本的に一話完結で、落語一家の一人一人にスポットが当たるわけです。一人一人の性格の書き分けのバランス感覚が絶妙で、描写に温かみがある。私の一番のお気に入りは、自分の師匠譲りのもちネタを、ライバルに新解釈され、このままでいいのか悩む小心な師匠です。たぶん上方落語のいろんな落語家さんがモデルになっているんでしょうが、私にわかるはずもなく。上方落語を知ってる人がより楽しめるのか、知ってると逆に細かい点が気になって読めないのかわかりませんが、少なくともほぼ落語素人の私にも楽しめました。
ただ個人的に「たまちゃんハウス」ってタイトルで買う気失くすよなあと思います。あと、おっさんを描くのが好きな逢坂さんですが、後ろから見たときの首の皺はグロく見えてかなり私は苦手です。
ほかに雑誌メロディーでは、「しゃべれどもしゃべれども」が勝田文さんに漫画化されてるし、女性漫画誌でも落語ブームなのかもしれません。
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