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ヘイサビョウトウ

閉鎖病棟

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精神病院の閉鎖病棟で生活する人々の話。

小説は、
島崎さん、秀丸さん、昭八さんの過去の話から始まり、
閉鎖病棟での生活は、主に
患者のチュウさんの視点で語られる。

幻聴に悩まされ、不審な行動や暴行事件を繰り返し
30年前に入院したチュウさんは、

婦長や患者たちとも普通に会話をし
患者仲間の行動を冷静に分析し、
歌を詠み、芝居の脚本を書き、
それまで考えていた「精神病患者」というイメージとは
だいぶ違う。

むしろ、秀丸さんとの信頼関係や
昭八ちゃんをいたわる気持ちなどは
とても正常な人間らしい感情のように思う。
「正常な」人間でも、そういった人間関係を築ける人は
なかなかいないのではないだろうか?
いったい「正常」とは、なにをもって「正常」というのか。

チュウさん以外の患者にも、
精神に異常をきたす以前の、一人の人間としての生活があった。
ただ、どこかで何かがズレてしまって
本来の自分を取り戻せないままでいる。

以前、介護の仕事をしている友人に聞いたことがあるが
痴呆の老人でも、自分なりのフィルターを通して
きちんと外界の世界とつながっていて、
彼らなりに正しい行動をしたいと考えている。

ただ、自分の思考回路や感情を
コントロールすることができない。
自分の意思とは全く違うこともしてしまう。

同じものを見たり聞いたりしていても、
人によって心に残るものは違う。
わたしは、病院の中での日常を破ったのは、
あの学芸会だったと思う。

精神病と言われる人達でも
感じ方が特殊であったり過剰であったりするだけで
同じ人間の問題なのだと
改めて感じた。

読んで良かった。

(2006.3.17)

閉鎖病棟

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singing-dog画像 投稿者:
singing-dog

コメント (3)

2007/01/11

近親者が分裂病(統合失調症)だったのでそれなりに知っているのですが、精神病を持っていてもごく通常な状態でいることの方が多いです。いわば風邪をひきやすい人みたいなもので、「また風邪引いてるの?」「うん、なかなかすっきりしなくて」身体で言えばそんな感じだと思います。病院でも他の人のことはよく見えるらしく「あの人、こういうとこがおかしいから気にしないで」などと互いに言っていたりします(笑) 病院から学校や会社に通っている人もいました。周りがさり気なく注意して調子が悪そうならすぐに病院に連れて行く、それで本人の安全も保たれるので、この病気を公言できるような社会・人々の心の受け入れがもっと欲しいと思います。

singing-dog 祥さん、はじめまして。まずどういう病気(といっていいのかわかりませんが)かを知ることが大切なんでしょうね。認知症や鬱病が現代病のひとつとして他人事ではないと捉えられるようになりつつありますが、受け入れ体制となるといろいろ難しいのでしょうね。

寧ろ、病気=疾患なのだということですよね。根っから自分とは違う質の人、ではなくて。認知症や鬱病、統合失調症を同じ並びで語るのはどうなのかと思いますが、それぞれに対して多少なりとも把握しておく必要はあるかと思います。認知症や鬱病などはいつ自分がそうなるとも知れないわけですし。私も詳しくはないのですが。少なくとも「隔離しておけ」という切り捨て型の社会であって欲しくないです。

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