アクラム・カーン ゼロ度
Akram Khan バングラデシュ系イギリス人
Sidi Larbi Cherkaoui モロッコ系ベルギー人
共通項;イスラム圏をルーツに持つ欧州育ち。共にダンサー。
舞台上にはすでに二体の白いマネキンが置かれていた。
中央には白い境界線が一本しかれている。
まっ白なボディは妙にリアルで、シーガルを思い出した事で
コレが二人の型どりのボディであることに気がつく。
Antony Gormley による彫刻作品。
まっ白で質感がよく分からなかったけど、どついたり倒したり
しまくりでも無事だから石膏ではないことは確か。
シリコンか木製かゴムか?迷ったけど多分硬質なゴム製。
シディの人形にいたっては、手の関節が自由に動き、
しかも足元が固まってないマネキン状態なのに安定して立つ。
さすが彫刻家の作品だけど、それでも難しいぞこれは。
舞台中央に出てきた足並みを揃えて出てきた二人は
完全なユニゾンで座り、きっちり同時にセリフを始めた。
舞台正面を向いたまま、セリフも身振りも完全なユニゾンが続く。
この時点で、あっさり掴まれてしまって目が離せなくなる。
ダンスちゃうやんって突っ込みも心にはあったけど、
完璧なシンクロに圧倒されて引き込まれてしまう。
内容は、タイトルのゼロ度に関係もあるんだけれど
コレが全く聞き取れなくても感動に揺るぎはなかっただろな。
でも、左右には日本語字幕の表示があってホッとした^^;
セリフが終わると、立ち上がった二人は境界線で頭をくっつけ
そこから鏡面のように見事な線対称を作り、動き始める。
ダンスは見事。すでに来てよかったと確信する踊り。
二人の踊り手が全く違うテイストの持ち主で、すごい踊り手。
剣のようなアクラムと、鞭のようなシディ。
まっ白でシンプルな三方の壁には二人の影が反映して
よく計算されていて、それも綺麗でセンスが高い。
音だって生演奏。紗幕の向こうで見え隠れして、憎いね~。
ラスト頃にシディが座って歌いだした古楽のような唄が美しい。
驚くほど上手くて、透明感のある歌声。
ホント、よくできた舞台をみせて魅せて貰った、幸せ。
この後、乗越氏のレクチャーがあり、貴重な映像を拝見。
個人的にはシディの踊りの方が好みと思っていたが、
アクラムのソロヴィデオを見たら感動。今回の舞台では
ソロ部分はシディの方がはるかに動き、見せ場も多かった。
アクラムもうちょっと動いてくれたらなあという不満が
一挙解消する見惚れるような踊りだった。
レクチャーでは、二人のバックボーンの話から始まり、
二人がどれだけ踊れるダンサーで注目株であるか、
日本と欧州でのプロデュースの力の差、興味深く面白かった。
照明がどれだけ効果的に使われているか、説明されて初めて
「あ、綺麗」だったものが深く計算されてたものだと知る。
乗越氏に、何年か後にコレを見たことが自慢できる舞台ですよ
と、言われたけれど、ホントそうだと思う。
このところ美味しい舞台ずくめだった中でも、飛び抜けて
楽しかったし鮮明に心に刻まれた舞台だった。
次回公演を期待するし、是非ご覧下さいとオススメします。
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コメント (4)
2007/01/21
chill なんだか面白そうですね。ドキドキ。
2007/01/22
birochana chillさん、ありがとうございます。コンテンポラリーお好きなら、次回の来日公演実現の折りには是非。お薦めのダンサー達です。
2007/04/03
まきこ (今さらのコメントでごめんなさい。。)私も見にいきましたよ@さいたま芸劇。今年初めてみたダンスでした。なんかぽろぽろ泣けてきました。。。魅せられました。
birochana あ、ありがとうございます。このあとのレクチャーでみた彼らのダンスのビデオも本当に感動でした。素晴らしいダンサー。評論家の乗越氏に後々、この日のダンスを見ておいたことは自慢できますよと言われました。そのランクの芸術を見せてもらったなと確かに思いました。
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