恋愛の国のアリス/嶽本野ばら
《目を瞑るのは簡単でした。耳を塞ぐほうが楽でした。けれども僕と君の魂は叫んだのです。生きることにもし意味があるなら、本当の自分自身にならなければならない。生きることを大切に思うのなら、オリジナルでなくてはならない。模倣するだけの人生を歩むのに命など必要ない。真実、命の尊さを認識したならば、それを燃料にして燃え尽きるまで突き進め。》
(Ⅶ 戦車より)
映画もヒットした「下妻物語」などの小説で、
お洋服や小物に対する情熱から来るデコラティブな描写と、
その実ストレートで潔いメッセージ性を見せ付けてきた
乙女のカリスマ・野ばら兄さん。
本著はエッセイ「恋愛の国のアリス」とショートストーリー集
「TAROT,THE LOLITA PATH OR PASS FOR
LOLITA、GRAND GLASS」
(タロットは写し鏡、ロリータの小径、或いは通行証)
の二部構成になっており、
前半では彼の愛するものと愛し方についての
デコラティブな描写を、
後半のタロットになぞらえたショートストーリーでは
彼の『芯』を、
それぞれ楽しむことができるようになっています。
多くの人の誤解を受けていますが
(うちの親とか)(心配しなくても娘はロリータに走りません)
彼の主張は気持ちがいいほどにとてもシンプル。
エッセイ「勇気、名演する」の中の、
《誰でも臆病なのです。そしてそれに打ち克ちたいと思っているのです。恋する力は、唯一、それを克服させてくれる勇気をもたらしてくれるのです。互いのことを想い描くとき、常識外れの勇気を渡し、貰える相手でなければ、恋人という特殊な関係にならなくて宜しい。》
というポリシーが、本書全体を貫いています。
エッセイに物語、くどいくらい恋愛のことを書きまくりながら、
ここまでスタンスが変わらないのは素晴らしい。
図書館で借りたんだけど、手元に置きたいなー。買おう。
ショートストーリーもエッセイも一編一編がとても短いので
すき間時間に読み進められていいですよ。通勤通学に。
- 2007/01/18更新
- 2007/01/18登録
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