ケムリカツチカクイモノ
煙か土か食い物
形容不能のノワール・新本格ミステリ。
--(以下なるだけ息継ぎをせずにお読みください)
ここで言う新本格とは謎解きスパイスでいろんなものを味付けしてみました程度の意味であって、まじめな本格ファンは絶対読んではいけない。どこが本格やねんとか思うからまじで。
そう、この本の売りであるデタラメ英語文体と密室トリックやら連続殺人未遂の謎解きなんてのはあくまで味付けにすぎない。
しかしそれらを単なる毒にも薬にもならんもんと、チャッチャッチャっと差し引いてみても後に残るのはけっこうすごい小説なのであり、何がすごいかというのはちょっとストーリーの根本に関わるような気がするしかなりオレの思いこみって感じもする(しかし、思いこみでない読書なんてどこにある?)しでうまく書けない。
うーむ歯切れ悪いな。要するにだ、ミステリと思って読んだ小説が実はそんな話はどうでもよくて××でしたってことなんだ。惹起の「密室? 暗号? 名探偵? くだらん、くたばれ!」ってのは主人公の四郎のセリフじゃなしにストーリー自体がミステリから遠いところで鳴りますよってことなんだ。こりゃまじで面食らうよ。ワッツァファッキンディテクティブノベル。俺的にはこの仕掛け自体、一種のメタミステリになっとると言えるような気がする、っていうか拡声器で「これもミステリですよみなさーん」つて触れて回るほど強く言いたいのだが、こういうことを言い出すと絶対「作品そのもので完結してない作品なんてミステリとして駄目」とかいう人々と鋭く対立してしまうのでよう言わんのであった。いや対立してもいいけど別に。俺ミステリファンじゃないし。
作者である舞城王太郎は、ネタではなくかなり真面目に××のマインドを血と暴力とファッキンディスガスティンワードでくるんで書いている、とても真摯な作家なんだと思うぞ。
××って誰や。そこで大ヒント。この小説のp21を読んでみて「あれ?何書いてんだこいつ?」と思ったら、そういうことだつまり。そこから始まる血と暴力に耐えられるなら読む価値はある。ちうかこんな人なめた設定で主人公の顔も想像できんような小説で血ドバーでたところで何の問題があるんや。そもそも血も暴力も密室も暗号も、読者をあらぬところへふっとばす駆動力でしかない。いやほんと。ピンと来たら読んでみてよ頼むからさ。ちゃんと最後、その「あれ?」に呼応した結末になってるんだってば。ちゃさい仕掛けじゃあるがホロっとキましたよ。
こうやって書きながら考えていると、頭とケツだけでなく話全体の構造が実は××の小説の見立てなんではないか、という疑念が渦を巻いてくるのであり、××の過去の著作を読み返さないといけないような気持ちにさせられるのであった。
とここまで想像した俺はさらに恐ろしい事実に気が付いた。ひょっとして××風に書くっていうこと自体この作家のメフィスト賞応募の戦略だったんやないかと。
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エキサイトしたまま『暗闇の中で子供』につづく。
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コメント (13)
最新コメント5件
2002/06/03
Go涼 しかけいっぱいあるんだけど,著者は不親切だからなぁ(笑)。例えば看護婦の名前が何であーなのかは絶対理由があるはずなんですが…。わかりません。
Go涼 えーと,まとめると「すっきりしない読後感」が魅力の小説って感じでしょうか。
未有音 まぁあの…あんまり深読みすると四郎に「なにわけのわからんこと言うとるんじゃ」バンバンバン!てどつかれそうですのでほどほどに(笑)▼でちょっと思いましたが自分はミステリに「誤読の楽しみ」を求めているのかもしれないなと。というのは、今日ちょうど、『Yの悲劇』を読了したのですがこれが全くピンとこなかったのです。あまりに理路整然としすぎて拍子が抜けたというか。▼っていうかそれ以前にお前はそんなものも読まずに新本格とかミステリとか云っているのかというおしかりを受けそうですが。ええすいません。読んでませんのです…。
2002/11/23
なし リンクありがとうございました。ナイスな紹介分ですね、、。自分のいい加減な紹介が恥ずかしくなります。図書館で借りて読んだので××の確認ができませんでした。今度は買おうと思います。
2003/03/31
未有音 講談社の次作『九十九十九』だそうです。ドギャーン、まじで?
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