サギシノラクエン:タネムラスエヒロ
詐欺師の楽園:種村季弘
歴史上の詐欺事件をネタに人間の暗部に光を当てる。
百年以上も前のものが題材となっているが、欺かれた過去の人を笑うことはできない。未だに詐欺師や詐欺師に騙される人は減っていないのだ。
インチキ占い師、新興宗教、偽科学、振り込め詐欺、フィッシング、ダイエット食品・機器、万能薬、政治家、・・・
インチキ占い師がテレビで大きな顔(実際に大きそうだから笑えるが)を晒しているのは、一人の素朴な詐欺師に欺かれた話が笑い話になった時代よりひどいかもしれない。
「騙される人間が悪い」とは言わない。悪いのは騙すほうに決まっている。しかし、騙しが決まるか決まらないかは騙される側にかかっている。騙される土壌があるから騙される。人の不安(占い、宗教、健康食品、振込詐欺、架空請求・・・)や先入観(皇族詐欺、結婚詐欺・・・)を突いてくるのだ。
不安を突いてくる詐欺は不愉快至極だが、先入観の裏を突いてくるものは社会や人の価値観をあらわにする効用もある。
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