少女七竃と七人の可愛そうな大人/桜庭一樹
《辻斬りのように男遊びをしたいな、と思った。》
という一文から始まる小説。
作者がライトノベル出身であること、
和風の文体にうわって感じのルビの振り方、
例)鉄道模型(ワールド)など
人物の名前の付け方なんかに
例)七竃(ななかまど)、雪風、夢実(ゆめのみ)
抵抗を覚えつつ読み始めたのですが、
読後「おぉ、面白い小説だ」とこぼしてしまった。
辻斬りのような男遊びをした母のもとに、
たいへん遺憾ながら美しく生まれてしまった七竃。
旭川の狭い町でその異形のかんばせは浮き、
人々から好奇の視線を向けられる。
彼女が心を許すのは、とくべつな美しさを持つ同士、
成長とともに異母姉弟の疑いが生まれてくる、
少年・雪風のみ。
彼女の高校生活を描き、
常に旅人として家を空けがちな母親、
母と関係を持ち父親かもしれない男たち、
そして写し鏡としての雪風、
七竃はとくべつな自分と折り合って、
それらをゆるし解き放たれることはできるのか。
章ごとに視点を変え変わっていく七竃を描写する
本編は風変わりな青春小説として十分読み応えあり。
特にクライマックスの母、雪風との別れはとてもいい。
一方、「いんらん」と称される母親が、
どうして辻斬りのような男遊びをしたくなったのか、
彼女の視点で描かれる部分もいい。
《この人に、こだわった。この人を手に入れられぬ自分の人生を、ほんとうのこととして受け入れることはできなかった。方法はただひとつだった。辻斬りに。辻斬りになるのだ。男はどれも同じだと思いこむまで、けして立ち止まるな。からっぽだ。からっぽになるのだ。立ち止まるな。けして。特定の誰かのことなど、けして考えるな。》
女を、描いている。
若い女も年老いた女も美しい女も平凡な女も。
そして、母も娘も。少女にも大人の女の人にも、
一度読んでいただきたい一冊。
- 2007/01/25登録
- 944クリック
「少女七竃と七人の可愛そうな大人/桜庭一樹」を検索
- メイン
- コメント(0)
- つながり(1)
- トラックバック(0)
コメント (0)
まだコメントされていません。
つながりキーワード (1)
少女七竈と七人の可愛そうな大人
- (rainyreader)
「七竃がそんな顔に生まれてしまったのは 君の母がいんらんだからだ。」 美しい美しい十七歳の七竈。 幼馴染の美しい少年雪白はそう呟く。 彼女の母は淫乱で家を出て そうし...







少女七竈と七人の可愛...
美女と竹林

