カキヌマコウジ
柿沼康二
「TR (トップランナー)」に
書家の柿沼康二さんが出演されていた。
いくつかの作品がスタジオに展示されていて、
2000年「不滅の烏」
2003年「命」
2005年「いきていきていきて・・・」が印象的だった。
「命」のような大作(横4.8m・縦3.6m)を書く場合、
書く前に、何歩でどこまでいけるかを体で覚えておく。
柿沼さんの普段の制作風景などが取材されていたが
臨書という、空海や顔真卿の書を書き写すトレーニングを
平均5時間もするそうだ。
そして緊張が薄れてきたな、と感じたら
走りに出かけ、10kmは走る。
肉体を追いこむことで神経を研ぎ澄まし、
集中力を取り戻す。
走ったあとは五感も研ぎすまされ、
勢いがぜんぜ違うのだとか。
「線を切ったら血が出るような字」が
書けないとプロではないと
ずっと師匠に言われていて、いかに神がかれるか。
理想は自由自在、筆と一心同体になること。
1996年に「衝天」で毎日新聞賞を受賞した翌年に
力を試すために単身NYへ行くが、
人にだまされ、お金もなくなり、挫折の日々。
1998年「おまえはだれだ」は
そんな希望がなくなっていたときに書かれた作品で、
泣きながら書いたそうだ。
柿沼さんは自分の作品を
ラブレターや遺書だと思って書いているそうで、
愛する人へ遺すメッセージに、どんな思いをこめるのか?
その字に込められた物語は?
それが語れないと書ではない。
書く文字は、その言葉に出会ったときに
書いて貼っておいて、2,3年はとっておく。
そうして長いスパンの中で残った言葉を使う、と。
2005年「BEAT」は
鼓童とのアートコラボレーションの中で生まれた作品。
一緒に踊り、自分が陶酔することで
観るひとにも陶酔を感じてもらう。
感じさせる書を提言したいということだった。
(2005.11.24)
- 2007/01/27登録
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