Theatre
サマセット・モーム「劇場」
モームの小説も結構好きです。特に、イギリス植民地下で人間的にぐだぐだになっていくイギリス人の姿を描いた一連の短編連作集は今もたまに読み返す。反面、長編は実はあんまり好きじゃなかった。
最近映画化で復刊されたモームの「劇場」は、若い愚かな男にほれこむ46歳の大女優が主人公となっている。よく小説中で、生き生きと描かれた女性をみると、「女にしか、かけないような」なんてことを言う人がいるが、この小説は女にはかけない。この小説のもつ無防備なあけすけさやチャーミングさは、むしろタフな女の愚痴や、恋愛話を聞いてあげてるゲイの男にしかかけないようなもので、モームの面目躍如といったところ。
「こんな時はもうあたしの生涯には二度とこないのよ。誰にも分けてやりたくないの」
「ビフテキに玉葱よ、アンジェロ。それからポテト・フライに、バス・ビールを一本。これは銀の大コップに入れてちょうだい」
しかし、この本が原作の映画「華麗なる恋の舞台で」ってタイトルがかっこ悪いなあ。 映画の原題とはまったく違う古めかしい邦題って、原題そのまま出されるよりは好きなのだが、なんだか中途半端に古いセンスを感じる。「五線譜のラブレター」なみに微妙じゃないかな。(邦題つけたの同じ人だったりして)そこはかとなく、同じようなしてやったり感を感じるし。ちなみに映画の原題は「Being Julia」である。2月10日から公開だけどル・シネマで映画を見るマダムには受けそう。
「サマセット・モーム「劇場」」を検索
このキーワードを共有する
-
トラックバック(0)







