『檸檬のころ』/豊島ミホ
喉元を過ぎないと良さの分からない「熱さ」って
あるよなぁと、しみじみ思いました。
とくに、七つ目の短編「雪の降る町、春に散る花」。
地方の高校生の恋は
こんな風に終わる事もあるのかと、
今まで想像した事もなかった切ない場面に
ぐっときたりしました。
18歳にとっては、秋田と東京って距離は
「ムリ」な場合もあるのかな。
続けようともしないで諦めちゃう遠さなんでしょーか。
もしも私が同じ状況、つまり、
彼氏をおいて上京する事になったら、
お別れの時には「夏休みあたりに、またね」とか言う気がする。
でもそれって社会人になった私が考える事だからな~…。
首都圏で育って、遠恋の経験もないし。
共感できていないのに泣けてしまったのは、
本の中の「あのころ」の空気のせいです。
「あのころ」って、「取るに足りないころ」と
言い換えられる気がします。
特に、マイナスの感情に関して。
今思えば小さな事に悩んだり、怒ったりしていました。
潔癖でもあったな。
体育の先生が保健の授業(テーマが「避妊」)の時に
「僕はコンドームを毎回必ず使います」と言っただけで
キライになるこたーないでしょう。
先生も若かったんだよ、と、あの頃の自分の
肩でも叩いてやりたくなるような硬さでした。
ほんと、何年も経ってみれば
自分の力の入り具合に気づいて
苦笑いもできるし、笑い話にもできるんだけど。
当時はそれなりに必死でした。
「檸檬のころ」の登場人物たちも、それは同じだろうと思います。
上京がきかっけで終わった恋だって、
東京にすっかり慣れた頃に思い出せば
「続けられたかも」ときっと悲しくなります。
でも、愚かだったなぁ浅はかだったなぁと思うような答えも、
やっぱり当時はそれしかなかったんだろうな。
・・・とまぁ、こんな事を考えながら電車の中で読んでました。
iPodをお供に。
そしたら、川本真琴の「やきそばパン」っていう
まさに女子高生~な曲が流れました。
その中の歌詞
♪今してる事みんなずっと覚えてられるかな
遊んで泣いてそして知って 遊んで泣いてそして知って♪
が初めて重く感じられて、
「覚えてるような気はするんだけどさぁ」とは思うものの
余計泣けました。
- 2007/05/27登録
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