グーテフォルク
gutevolk『グーテフォルクと流星群』
レーベル:MIDI Creative/noble
品番:CXCA-1205
フォーマット:CD
2007.2.09発売
2,500円
竹村とピチカートの間を行き交う
ポップミュージックの新基準
ピアノやフォークギターが織りなす、心地よい生音のアンサンブルに、清涼感溢れる歌声が、ごくごく自然に楽曲の一部として溶け込み、鮮やかな色を添えている。うーむ、まさに白昼夢…
西山豊乃(にしやまひろの)によるソロ・プロジェクトであるGUTEVOLK(グーテフォルク)のこれまでの歩みは、竹村延和以降のシーンの直接的な系譜と呼べる、生音を主体としつつも、電子音やサンプリング等の手法もふんだんに取り入れた、ポップミュージックとしては実験的と呼べる楽曲が大半を占めていた。
約三年振りのオリジナル・アルバムである本作は、初のバンド編成として録音された前作の延長線上にあることは確かだが、まるでカフェのBGMで流れていても全く違和感がないような、聴き手を選ばない飛びっきりの聴き易さは、全作品の中でも、本作が圧倒的に抜きん出ている。
元々、クラシックが土台にある筋金入りの音楽家で、それ特有の変拍子や転調を用いたある種の難解な音楽的要素をわかり易く噛み砕く抜群のポップ・センスには脱帽していたが、ここにきてその天性の才能が惜しみなく発揮された感じ。7曲目の「The Door To Everywhere」は、ピチカート・ファイヴをも連想させる爽快なナンバーだ。
そして今作最大のトピックは、レーベル・メイトであるkazumasa hashimotoを共同プロデューサーに迎え入れたことだろう。水面に広がる波紋のような美しき音の響きや、遊び心満載な小楽器のチョイスは、彼ならでは。
このレビューを読んで、古くからのファンは、もしかすると「GUTEVOLKぽくない」と嘆くかもしれないが、これまでの作品で見られた、GUTEVOLK特有の、夢想的な淡いトリップは少しも失われていないのでご安心を。
ポップ・ミュージックの新しい可能性を示唆する、アーティストとしての懐の深さを感じさせる一枚だ。
- 2007/03/22更新
- 2007/02/11登録
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