キング・クリムゾン / イン・ザ・コート・オブ・ザ・キング・クリムゾン
King Crimson / In The Court Of The Crimson King
69年作品。ビートルズの『アビ-ロード』に変わって、UKチャートの1位になり、キング・クリムゾンは一夜にして注目の的になった。メタルのようなギターサウンド、不思議なうねりをみせるベースに、まとわりつく超絶品のドラム、どれもこれもが斬新さの固まりだった。そして、エフェクトの歌が鳴り響いた瞬間、未来は開けた!!キング・クリムゾン伝説の幕開けとなった記念すべきこのデビュー盤は、世界中でいろいろな人がこれまでレビューを書いたことだろうが、僕も書かずにはいられないのだ。
衝撃的さはジャケットデザインから始まる。はっきりいって恐怖におののいたその顔はインパクトだけではなく、このバンドが持つあらゆるメッセージが詰まっているのだろう。ジャイルスなどで活躍していたロバート・フリップ(g)が中心となって結成されたキング・クリムゾンが行き着いた世界は、究極の音楽を目指したオンリーワンのものだったのだ。それは、デビュー前からあらゆるリアクションを想定し、まるで会社の事業計画のように綿密に考えられ、外から口を挟む一部の隙も与えることはなかった。音楽内容ではジャズ、フォーク、ロックが混合され、ブレンドされすぎて全く原型のわからない分野になっており、後にこの音楽をプログレッシブと呼ぶに至ったのはご存知のとおりである。ミュージシャンの妥協のないぶつかり合いが行われ出来上がった結晶は、素晴らしく綺麗で、そして力強い。「21世紀のスキッツォイド・マン(精神異常者)」はまさしくそれで、21世紀になっても、奇異のままだ。そして「エピタフ」はこのバンドのテーゼであり、
錯乱こそ私の墓碑銘となろう
ひび割れ荒廃した道を私は這い進む
なんとか間に合うのなら腰を下ろし笑ってもいられよう
しかし 私は明日が怖い 私は叫び続けるだろう
そうだ 私は明日を怖れ 私は叫び続けるだろう
というピート・シンフィールドの詩は彼らが歩むべき道をまさしく暗示していた。繊細で妥協のないロバート・フリップの姿勢は貫かれ、この後、幾度のメンバーチェンジが必然的に迎えられ、それが新陳代謝となり、たった数年の間に恐るべきスピードで彼らは活動をしていくことになった。そして、75年に解散されるまで、それは延々続いたのだ。
80年代の新生キング・クリムゾンや90年代以降のクリムゾンもまたその成り立ちや、内容など変わったところが多く、過去に縛られること無く、やはり妥協なく活動するのは流石といえる。幻滅するファンは置き去り、いまだに彼らに意見をさしはさむことはできないまま、21世紀を迎え、クリムゾンはまた始動をはじめたようだ。
宮殿に彼らはいて、僕らはそこに迷い込んだ。
そして、その宮殿から逃れることはできなかったのだ。
『キング・クリムゾンの宮殿』はその全てを計算しつくしている!!
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