池田晶子
親しみやすい哲学エッセーで知られる文筆家の池田晶子(いけだ・あきこ、本名・伊藤晶子=いとう・あきこ)さんが2月23日に腎臓がんのため亡くなっていたことが2日分かった。46歳だった。葬儀は近親者のみで済ませた。自宅は非公表。喪主は夫實(みのる)さん。
東京都生まれ。慶応大学文学部哲学科卒。難解な専門用語を使わず、日常の言葉で執筆した著作は幅広い層の人々に支持されている。主な著書に「14歳からの哲学」「14歳の君へ」「帰ってきたソクラテス」「知ることより考えること」などがある。「サンデー毎日」で「暮らしの哲学」を連載し、亡くなる直前まで活動は続いた。
訃報 池田晶子さん46歳=文筆家(毎日新聞3月3日10時27分配信)
***
同年代で同性であるという共通点は、意外に大きなものがある。
彼女の書くものはたまにしか読んだことはないけれどいつ読んでも面白いと感じた。
とてもわかりやすく書いてあるところが個人的に好きだった。
難しいことを難しく書く人は多い。
言い切ってしまう文体は時には誤解を生むだろう。
もしかしたら彼女は言い切ってしまうことで読む人に瞬時に何かを伝えたかったのではとまで思う。
自分の一つ前のKWである「Numéro TOKYO」創刊号にも彼女は書いていた。毒を全面に打ち出して行くと言っている雑誌に「あえて毒であろうと意図する毒は、やはりたかが知れているということを今一度指摘しておきたい」という文を第一回エッセイで書くとはなんてパワー溢れる人なんだろう。彼女は自分の死期をいつから意識していたんだろう。とそんな余計なことまで思ってしまった。
このエッセイの一部を以下に少し書き写してみます。
<略>正しいことを言うと、人は腹を立てる。正しい言葉は、毒に聞こえる。これはどういうことなのか。
決まっている。正しい言葉は、その人の正しくない部分を指摘するからである。正しくない、悪い部分、すなわちその人の内なる毒を明るみに出すからである。明るみに出されて、腹を立てる人と、納得する人の二様がいる。まさにそれがその人の毒の部分だと言うこともできる。悪いものを悪いと言われて、善くなる機会が訪れているのに、なぜなお再び悪い眠りに逃げ込もうとするのか。決定的な分かれ目である。<中略>
有無を言わさぬ真っ当さである。真っ当なこと、完全にニュートラルなことが、悪意のある毒のように聞こえることの意味は、各人が各人の内に問うべきことである。人は必ずそこに、自分の心と体を内から蝕む毒の要素を見出すはずである。<略>
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池田晶子さんのご冥福を心よりお祈りします。
インタビュー記事
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