キョウトエキ
京都駅 (鉄道駅)
個人的には日本で最も好きな駅の一つ。
古都に異彩を放つアヴァンギャルドな玄関口。JR各線と新幹線、近鉄、地下鉄の総合駅であり、烏丸通りに面した中央口側には日本で最も個性的な駅ビルを有する。
ちょうど新駅の建設時に京都で学生時代を過ごしていたため、当時の侃々諤々の議論をリアルタイムで体験することとなった。
パリのポンピドゥーセンターを彷彿とさせる外観は個人的に大好きだが、本当に評価すべきは、「京都でこのデザインを実現させたこと」と「空間の無駄な使い方」にあると思う。
「京都の景観ふさわしくない」といわれた攻撃的なデザインだが、「ふさわしい」という定義が曖昧な以上突き抜けたデザインは正解だったと思う。(一例を挙げれば、「調和を考えて」デザインされた名古屋の官庁街は中途半端に古くさく見える。)
大都会東京で前衛的な建物を建てても注目度は低い、先進的なイメージの横浜や神戸でも同様だろう。このデザインは日本でもっとも伝統的な街並みが多い都市である「京都だからこそ」意味があるのだと思う。あまり知られていない事実だが、京都ほど若さにあふれ進取の気質の富んだ街も少ない。京都という街は外から見えるほど美しいことばかりではないが、少なくとも伝統と新しさの融合にかけては全国でも最先端を走り続けている。
この建物のデザイン上での一番のアクセントは、建物をくりぬく形で舞台装置のように配置された大階段だ。これは、そのスペースがまるまる商業施設に利用できないことを意味する。デザインが商業効率を押し切ったわけだ。
使いもしないミニバンのカップホルダーの数を競い合ったり、無駄ソフトを搭載したPCで「付加価値」を付けたがる日本人の「貧乏性」にデザインが打ち勝った。それをもっとも伝統的な街である京都が良しとしたことに、日本の新しい時代が見える。
京都駅には縁がある。祖父母が京都に住んでいた関係で一年に一度の新幹線を降りたのがまだ木造箇所の多い京都駅だった。大学時代を過ごした京都。京都駅にも多くのエピソードがあった。妻と初めて夜景を眺めたのも京都駅からだった。これから何度訪れるかはわからないが、そのたびに目にすることになるであろう京都駅。きっと、そのたびに新鮮さを与えてくれるのだろう。
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