ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習
5月26日日本公開の「一見」馬鹿馬鹿しそうな映画。日本のニューズウィークも昨年末に特集を組むほど全世界が注目し、色んな意味で大騒ぎしている。その発端は、モキュメンタリー(mock+documentary)の言葉通り「偽りのドキュメンタリー」の「偽り」具合にあるらしい。
っていうんで気になって調べてみました。まずタイトル名の「ボラット」は、「Borat Sagdiyev」という架空のカザフスタン人テレビレポーター。Wikiに人名登録されてるくらい(結構若い)世界がこのmockに加担。自分(?)サイトの日本語版もあってやる気も充分。
このレポーターがアメリカに乗り込み、アメリカ文化を学習するドキュメンタリー番組を撮っている、というのが映画の設定なんだけど、この人が架空の人物なだけで、取材相手は保守派の政治家から女性権利団体まで全部リアル。相手もリアルなカザフスタン人レポーターがリアルな番組のために取材しにきたと思って対応してる。したがって異文化圏からやってきた人に接する態度、それを考慮してもあまりある言動に対する対処方法なども全てリアル。このリアルなリアクションを赤裸々に見せつけてアメリカ人を浮き彫りにし、「これがアメリカなんだぜ」と皮肉たっぷりに見せるのが作品の狙いらしい。
ってなるとこの「リアクション」をいかに狙い通りに引き出すかが肝なんだけど、その手段(多分)として効いてるのが架空人物の激しい設定。観てないからあまり書けないけど、ユダヤ人協会から訴えられるほど痛烈にユダヤ人差別したり、女性差別したりするらしい。なぜ差別するのかの理由付けがまた物議を醸し出す要素だらけだし、しかもこの役を演じて脚本も書いているサシャ・バロン・コーエン自身がユダヤ系イギリス人なので、実に何事も確信犯的。
世の中で話題になればなるほど取材された方が「騙された!」と気づき出して訴訟が増え、かたや架空の設定に使用されているリアルな地域や団体が大クレームを唱え、色んな意味で大騒ぎがどんどん増幅していく。これが映画そのものの話題をさらに後押しして、危ぶまれた日本公開を実現させた、とも言われている。
人物設定に基づく様々な行動があまりにバカバカしいので、素直に観ると一見リアルカザフスタン人への差別みたいに見えそうだし、あまり皮肉っぽいのも姑息なのも苦手なんだけど、マイケル・ムーアの「華氏911」を超える、とか言われると(アメリカというかブッシュというかあの辺の批判は嫌いじゃないし…)観てみたい。なんとなく日本ではそんなに盛り上がらない気もするけど、果たしてどうでしょうね。
ボラット 日本公式サイト
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