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「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!」(アレクサンダー・ペイン監督)

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 「アバウト・シュミット」でもあるいは「サイドウェイ」でもアレクサンダー・ペイン監督は不在である何かのその空白の周囲にその空白を埋めるわけではない無駄な補足をいくつも連ねることによって多声的なエピソードを語り映画をひとつの全体として構成しようとしていたが(それがペイン監督の「アバウト・シュミット」「サイドウェイ」での方法だったのだが)そしてペイン監督の監督第一作である「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!」でもペイン独自の作家的方法はすでに用いられており(わたしは「アバウト・シュミット」「サイドウェイ」ではじめてペイン監督を知ってそして折り返し「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!」を見返して方法的一貫性を発見したのである。迂闊だった)そして見方によってはそのペイン監督の方法は第一作「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!」でこそもっとも有効に機能しているとも言えるのだ。原題は「election」つまり「選挙」であり要するに「ハイスクール」の生徒会の「選挙」をめぐっての(過激な優等生ギャルを主人公とした)学園ものの映画なのだがしたがってここで映画の物語を持続させる「空白」とは(ペイン監督独自の方法的「空白」とは)生徒会長というその空白の地位にほかならず(ハイスクールの選挙といういかにもそれらしい題材の映画でありながらしかしかなり特異な方法を「生徒会長の椅子」という点で機能させてはいてだから題材の凡庸さとその方法的特異性が上手いバランスをとることになりしたがって方法的特異性がへんに目立つことがないという実に良き効果がここでは発揮されているのである)だからこの映画の物語を大きな流れで簡単に説明したのならば生徒会長選挙の立候補から物語は始まり(過激な優等生ギャルが立候補する場面から始まり)そしてその選挙結果で物語は終わる(意外な結末が待っている)ということでしかないのでありほんとうに簡単にいってしまえばただそれだけのことなのだけどしかしその「会長の椅子」という空白をめぐって様々な登場人物たちによる様々なエピソードが語られていき(選挙のプロセスがやけにひろがりを持ち)だからその登場人物の人物像やそのエピソードなどが映画の豊かな内実となっていくのである、しかもいくつものエピソードを語っていくその語り口とそれらほとんど無関係なエピソードを連ねていくその構成力はなかなか見事という他なくだからその空白(生徒会長の椅子)の周囲に巡らされたエピソードの渦によって最終的には学校生活とそれをめぐっての現代社会がなかなかリアルな輪郭で浮かび上がってくることにもなるのである。生徒会の選挙というなんてことのない題材を使いながらもしかしあくまでもその空白を中心とするなかなか過激な方法をそこに用いることによってしかしだからこそかえってきわめて自然なハイスクールと現代社会の像が見えてくるのだからしかもひとつひとつのエピソードは(そして登場人物も)とっても魅力的なものとなってもいるのだからこれはやはり傑作というべき出来栄えの作品なのである。

 生徒会に積極的過ぎるほどに積極的に立候補する過激優等生ギャルを演じるのは今をときめくリース・ウィザースプーン。今やオスカー女優でもあり女性からの好感度がとても高いリース・ウィザースプーンではあるがここではむしろ嫌な女を生き生きと演じてる。しかし超キャリア志向の嫌な女を(優等生ギャルを)演じているはずなのに不思議と彼女が演じるキャラクターが厭味にはならないのは彼女の演技の質が他者との関わりの中できわめて敏感にビビットに反応を示すそのほとんど生理的と言ってもいい彼女の他者と接するその接し方の素質によるところが大きいだろう(彼女は他者と対立することはあっても絶対排除しないのだ、むしろほんきで対立する演技を演じながらもそこに生の肯定性すら漂わすことが可能なのだ、ある種の天才)。すると過激な超キャリア志向の「優等生ギャル」と対立することになるきわめて穏健な「良き教師」の良さのテイストがかなり弱まってしまいだからよき教師というよりも凡人という位置づけなっているのだがだからその分映画のスケールは小さくなりはするのだけど(そもそもそれが狙いかもしれないが)しかしもちろんそれはそれでリアルではあり(凡庸教師が道を踏み外すというおまぬけ感)だから別の説得力がかえってますことにもなるのである。一長一短のさまざまな個性をもった凡人たちが(魅力的な人物達が)それぞれの「訳あり」を抱え込みながら右往左往しているその在りようとそしてその在りようから脱するすことは絶対にできないというやけに生々しい世界像と。アメリカ映画の喜劇の感覚がここでまったく意外な形でそして新しい味わいによって復活している。とても面白い。

「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!」(アレクサンダー・ペイン監督)

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投稿者:
room9
  • 2007/05/05登録
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『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』1999 米 監督・アレキサン

  • すずめの映画日記 | Tracked: 08.1.14 8:15 pm

関心空間: 「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!」(アレクサンダー・ペ

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