パラディ,パラディ
早川タケジ作品集「Paradis,Paradis」
73年「危険な二人」以降の沢田研二のコスチュームデザイン他、ヴィジュアル面を担当していた早川タケジの作品集。この本に載っている写真の大半を沢田研二が占めている。70年代半ばから続く、沢田研二のヴィジュアル面での大暴れとやりすぎが、一望の下に出来ます。でも、ジュリー!というより、タケジの作品集であり、そのあふれんばかりの過剰さに圧倒されっぱなし。
そう、あの「ダーリング」のセーラー服の水兵さんや、「TOKIO」の電飾衣裳はこの人の作品です。制服と帽子好きですね。あと女の子とヒカリモノも大好き。グラマラスでキッチュ、猥雑でイカガワシく。悪趣味で、そしてカッコいい。
「Oh,ギャル!」の女の子メイクした、船長さんはディートリッヒのメイクにビートルズのイメージ!「ダーリング」のポスターはMGMの水兵さん+ロリータとか、作者本人から明らかにされるイメージのごった煮具合も非常に楽しい。橋本治が、早川タケジの服はラブレターのようだという言葉を述べていますが、まさにページの端から端までジュリー「愛があふれすぎて」ます。
まあ、そのまんま客観的にみて、「愛の嵐」のシャーロット・ランプリング(「憎みきれないろくでなし」)だったり、デヴィッド・ボウイの「地球から落ちてきた男」のサイボーグヴァージョン(「恋のバッドチューニング」)だったりして、発想が非常にわかりやすかったりもしますが。あと、テレビなどの映像ではあまり感じなかったけど、写真だとかなりピエール・エ・ジルに似てますね。ただ、ピエール・エ・ジルが一緒に創作活動をはじめたのが1976年だから、同時発想的かもしれない。私はジュリーの化粧を見ても、中性的だなんてちっとも思わないが、ゲイの人をひきつけるような色気は今思うと濃厚ですな。
この本には山口小夜子など他のモデルや女優、俳優とのコラボレーションも納められているが、他の女優や俳優との間には沢田研二のような飛躍は残念ながらあまりみうけられない。山口小夜子のクレオパトラは、そのまんま過ぎてちょっとがっかりなぐらい。沢田研二の肉体は早川タケジ氏にとって最高のミューズで、キャンバスだったのだろう。まあ、ここらへんは後半の写真を見ると明らかに過去形ではありますが、ジュリーが痩せてくれれば、タケジ氏はまだまだギラギラで妖艶なジュリーを作り出す自信はあるみたいです。最後のジュリーへのラブコールは泣けます。もう、ファンのためでも、健康のためでもなく、タケジ氏のクリエーションのためだけにでもジュリーにはやせて欲しい。
衣裳の一部にはコメントもつきますが、OHPシートのようなものに印刷されていて読みにくいったら。これだと、本のページをとじてる糊がはがれて近いうちにバラバラになりそうだし。4,000円という値段には少し躊躇したが、そのうちに品切れになりそうなので、購入。たまにぱらぱらと見返しては、値段分楽しめそうです。
あ、タケジ氏の服オーダーメイドする場合、基本のワンピースで20-30万円ほどだそうで。(FRaUにでてたらしい。)これは、ブランド品を気張って買うよりもいい買い物な気がします。ただ、なにしろタケジなので着て外を歩けるかどうかわからないけど。
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