白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々
(2005年 ドイツ)
とにかくユリア・イェンチの演技がすばらしい!それだけで見る価値あり。
反ナチス運動を展開した学生グループ「白バラ」メンバーで、当時21歳の女学生だったゾフィー・ショルが逮捕され、5日間という短い尋問の末、処刑に至るまでを描く。監督はマルク・ローテムント。
描かれるのはゾフィーが反ナチのビラを大学上階の手すりからまいて逮捕されてからのたった5日間だけだが見ているうちにその人物像がはっきりと浮かび上がってくる。最初は命をかけるまでの覚悟はなかったであろうゾフィーだが逮捕されたことにより直接「国家」に触れ、自らの信念を貫き通そうと心を固める。人間である以上免れえない迷いや悔しさ、死の恐怖と戦いつつも自由を訴え続ける。
生きたいという思いを振り切ることは命を捨てるということであるが、逆に意思を曲げて生きること自体も彼女にとっては自分を捨てることになったのであろう。彼女の決断を責めることなく「お前は正しいことをした」と言う両親も立派。
緊張の途切れない尋問に一歩も引かず立ち向かうなんて並大抵の人間ならできない。しかし空を見上げる表情が、彼女も私たちとなんら変わらない一人の女の子なのだということを思い出させる。見終わったあとに、歌を口ずさむ冒頭のシーンが重くなるように計算された演出もうまい。
ユリア・イェンチは小雪に似てるとちょっと思った。可愛らしさと意志の強さを兼ね備えている。
- 2007/05/27登録
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