「うつくしいほし」(みしまゆきお)
「美しい星」(三島由紀夫)
高尚な文学の香りに憧れて、ちょっと興味は持ちつつもなかなか読めなかった三島作品。唯一、興奮して読み切ったのが、この「美しい星」。
安部公房の小説を彷彿とさせられるような、三島らしからぬ設定で物語ははじまる。父と母、娘に息子。この一見なんの変哲もない家族は、実は自分たちがそれぞれ地球以外の惑星から来た宇宙人であることに気付く。彼らは人類の行く末を心配して、この「美しい星」を守るための活動をはじめる。途中からは、人間の格好をした別の宇宙人たちとも対決することとなり、その議論にはかなりのページ数が割かれているが、一気に読み切った覚えがある。
愚かな戦争で憎み合う人類は滅びるべきなのか、それともまだできることが残っているのか。SF的なストーリー展開の中にも、深いメッセージと問いが含まれている。
私としては「欠けているものがあるからこそ人間は美しい」というメッセージが未だに響いている。
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コメント (6)
最新コメント5件
2002/06/04
ohsamu 三島作品の中ではかなり異色なものだと思うけど,読んでみると,設定が異色なだけで,やっぱり三島作品だなーって思いますネ。
ののがきあつこ 「美しい星」が三島作品デビューの私が、次に手にするとすれば、どれがお勧めでしょうか?
ohsamu 王道的には「金閣寺」だとか「仮面の告白」なのかな。三島本人は短編「憂国」を入門として読んでみることを薦めてました。といった定番もイイですが,ちくま文庫から出ている「レター教室」「反貞女大学」などの軽く洒脱なエッセイや,「裸体と衣裳」あたりが,ボクのオススメです。「裸体と衣裳」は,こんな日記が書けたらどんなにステキだろうと,遥かに遠い目標にしています。
から ああ、エッセイは愉快ですね。私は代表的なのしか読んでないですが「午後の曳航」が一気に読めて良かったなぁ…「金閣寺」とか「仮面の告白」は挫折読みした記憶があります。(挫折読み:読む過程で思考停止箇所(寝る)が徐々に増え、最後は斜め読みによりつまらなく読み終わる)
2002/06/07
大杉信雄 最近、小説を読むときに「耳の文学」「目の文学」という見方で眺めているのですが、三島は、特にこの作品は「目の文学」だと思っています。とても視覚的。自分的には「耳系」のほうが好きになりやすい傾向があって、気が付けばP.オースターとか、宮沢賢治などはそっち系のように思えます。
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