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魍魎の匣 (もうりょうのはこ)

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 読んでいる最中も、読み終わったあとでも、この世界から離れられない。そんな本でした。そして、ずっと頭の中で反芻されていたのは作品中に登場する久保竣公の作品で使われている、『みつしりと』という言葉でした。「匣(はこ)」の中に『みつしりと』つまった少女。それこそ、自分の頭の内側にある隙間にどんどん悪夢が入り込んで『みつしりと』つまっていくような感覚。

 1000ページを超える大作中には、大小さまざまな伏線が張られており、伏線が伏線を呼んでいきます。非常に読み応えのある一冊でした。「犯人はいったい誰なのだ?」、「魍魎とはいったい何なのか?」、「匣とはいったい何を象徴しているのか?」そういった疑問が読み進むにつれてどんどん膨れていき、同時に物語に取り込まれていきます。

 そんな風に読んでいる間、もしかすると読んでいる私自身が「蒐集者」となり、「もうりょう」に憑かれていたのかもしれません。もちろん、最後の謎解きで京極堂によって落としていただけましたが。

 あちら側とこちら側の境界をのぞかせられる、なかなか不思議な作品でした。

著者:京極 夏彦
発行:講談社文庫


魍魎の匣

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ROUTE 436
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