フラワー・オブ・ライフ
とても面白かった。
文句無しに面白い。
んが、さらに、ただ面白いだけじゃなくて、このマンガは、読むと感じるある種のひっかかりが、さらにその魅力を高めているように思います。空気感というか。
魅力的な(だが一部を除いては全く普通な)キャラクター達が織りなす全く普通な高校1年間の青春群像。
心躍らずにはおれないイベントの興奮と幸福。(いろんな“イベント”。笑)
丁寧に丁寧に描かれる様々な心の機微。(買い物のエピソードも、本の貸し借りのエピソードも、本当に秀逸ではないでしょうか。)
それぞれの成長。
ギャグも面白い。
青春ものとして、とても高い完成度だと思います。
しかし、読んでいて、なんとなくひっかかりが残る。
それは何だろうと考えると、
とても作者がドライだなあ、
という感覚に行き着くのです。
それはドライなキャラクターが登場してドライな人間関係を築いている、とかではなくて、熱いキャラクターや彼らの人情を描いていても、どこかドライ、作者のキャラクターに対する関わり方がとてもドライ、という印象なのです。
しかもそれはキャラクターに対する濃密な関わり方をあえて排している、というよりも、デフォルトでドライというか、平熱的にドライというか、「そういうものだから」ってな感じに普通にドライ。
そしてその感覚、空気感が、非常に自分の感じている“今”の空気感と近しくて(日常と近しくて)、ひっかかるけど嫌じゃない、不思議な読後感を与えるのです。
最後の桜吹雪、真島の姿は描かれもせず、
なんのフォローも意図を感じさせる描写もなく、花園はただ一人です。
「好きにおやりなさい。見てるから。」そんな感じ。
決して冷たくはないけども、暖かだけども、同時に突き放した空気感。
これがなかなか面白いのです。
ちょっと心細くても、そんなもんです。しっかりおやりなさい。
全4巻。
コメント (2)
2007/07/20
ニジ なはは。。評なんていう偉そうなものでは。ただの感想です。。。コメントありがとうございます。 作者の突き放したクリアな感覚、という部分に共感いただけてうれしいです。 最後の春太郎は、わたしには先に歩いていっているようには見えてなかったです。並んで歩いている春太郎をあえて切り取ったように読めて、それは、誰かのために、そして自分のために“秘密を持った”という成長の誇らしさと寂しさ、切なさを表しているように読めました。有紗さんには死を暗示しているように見えた、という解釈でいいんですか?なるほど、死の雰囲気も感じ取れますよね。ただ、等しく死は誰にでも訪れるのだ、という気分をも感じさせられます。 真島も決して嫌なやつとしては描かれていなかった気がします。彼は良くも悪くも“幼児性”のキャラクターだったように思います。そしてその結末が最も不明瞭なキャラクターでした。結局この作品が“幼児性”や“成長”について態度を保留しているように感じさせる、そのリアルな読後感の肝になるキャラクターかと。彼の最後の台詞は、わたしはさして気にとめていませんでした。ふむふむ。もう1回読んでみなければ! “成長”によって得るもの、無くすもの。実はその2つに簡単な上下はなくて、それは喜ばしくも切ないものなのではないかい、というところがこの作品の中心にあるのかなあ、と思っています。 まあ、こういうこと、別に無理に言葉にしなくてもいいんですけど。マンガはただ楽しく読めれば。有紗さんに熱くコメントをいただいたので、ちと書いてみてしまいました。長文失礼いたしました~。
ニジ いえいえ。全然暑苦しくないですよ。(笑) なるほどー。深いですね。わたしもまた読み返さねば!(笑) わたしは多分これからもマンガのKWはよく立てていくと思いますので、もしよろしければこれからもガンガンとコメントくださいね。
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