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メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学

昨今我々の身の回りには健康に関するたくさんの商品があふれています。テレビからは連日のように「○○がいい!」「××は健康リスクが高い」などと報道されており、我々の健康への関心の高さをうかがわせているようです。

その商品たるや、通販の健康器具から、痩身グッズ、サプリメント、無農薬野菜、はたまたマイナスイオン発生器や「波動水」のようなもの・・・列挙すればきりがないですが、玉石混交とも言うべき状況の中、それでも我々は目に見えぬ「健康」を欲しているということでしょう。

さてそれらの商品の「効果」は本当に正しいのでしょうか?誰がどのように検証したのでしょうか?そしてそれらは本当に我々のためになっているのでしょうか?

器具や食品を実際に買って使って食べることはあっても、そういうことには関心を持っていない人が多数なのではないでしょうか。この本は、いわゆる健康情報・報道について分析し、いかにそれらがいい加減で害悪が大きいものであるかを説いています。

具体的な内容は実際に読んでもらうとして(笑)、以下に自分なりに要点をまとめてみます。


第1に、普段なされるその手の報道は、とてもいい加減で信用に足らないものが大半ということ。

例えば、効果を実証する試験の方法や条件が正しくなかったり、良い側面だけを報じて悪い側面を隠していたり、そもそも効果について証言している人が怪しかったり・・・。特に、メディアが科学的な視点に立脚していないことが致命的です。このへんについては、先の某健康番組の捏造事件もあったことですし、疑ってかかる人も増えてきたのではないでしょうか(笑)


第2に、報道は往々にして結論ありきであるということ。そして結論とは、報じる者の意図を反映しています。

意図ってのは、例えば広告主からの圧力起因であったり、出版する本が売れたいのであったり、特定の団体を貶めたいのであったり・・・。言い換えるなら、誰かの利益のために我々の身の回りの安全性や財布のヒモ(笑)が蔑ろにされているということです。自分を守るためにも、「この報道は誰を利するのか」と考えることが大事でしょう。このへんの心得的なことは、巻末にまとめて記されています。必読げ。


第3に、リスクとベネフィットのせめぎあいが常に存在しているという点。

例えば、スーパーやコンビニには「保存料ゼロ」みたいな食品を良く見かけます。保存料が体に悪いと一般的には信じられているからです。しかし、保存料が全く含まれていない食品を口にし、ボツリヌス菌とかにやられて死んでしまうとしたらどうでしょう?そして、そのリスク(確率)について論じたことはあるのでしょうか?こういった視点も我々の多くには欠如していると思います。こういったことがらを例えて言うなれば「死んででも健康が欲しい」ってとこでしょうか(笑)


第4に、我々は既にバイアスに毒されているという点。

既に上に挙げた3項目は、こうやって文章にすれば当たり前なことですが、これまでの生活の中で考えたこともなかったのではないでしょうか?メディア報道による思考停止みたいなものだと思います。例えば、遺伝子組み替え食品について、その危険性に関する記事は調べたりしたこともあるでしょうが、安全性に関する情報を探したことはあるのでしょうか?ほとんどの人はないと思います。「危険」な方向にばかり目を向け、対立する事柄については気が向かないものなのです。もちろん自分もそうでした(笑)


長々と書きましたが、物事を多角的に検証する癖を身につければ気がつきそうなものばかりです。賢くなりたいですね。せっかくネット社会なのですからね。ってか、真面目に考えるばかりでなく、「トンデモ科学」を茶化すことも楽しみの一つになりますよ(笑)


蛇足。
本書中で自分が驚いたのは、「水からの伝言」という本か何かの、「綺麗な言葉で話し掛けた水は腐りにくく、氷の結晶が美しい」というものです。こんなの信じるアホタレが居るのかと思いきや、道徳の教材として引用されてたりするそうです。末恐ろしいです。

投稿者:
alm
詳細情報
  • 価格: 740円+税
  • ISBN: 978-4-334-03398-9

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  • 発売元: 光文社新書
  • 人名: 松永和紀
  • 2007/06/11更新
  • 2007/06/10登録
  • 1109クリック

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コメント (2)

2007/06/23

doornob  almさんの記事を読んで僕も読みたくなり、購入しました。  無農薬野菜のくだりを興味深く読みました。  文中にあるような、自然の物=体に良い=美味しいという公式を盲信する方々はそこかしこに見られます。 しかし、自然は人間のために存在するわけではないですから、ある意味では傲慢な考え方かもしれません。

alm 読まれましたか!批判に満ちた本ですよね。そうですねー自然のものを盲信するってのは、単に気持ちの問題なのかなーと思います。自分の意見としては、その心理を利用して、多少のウソをついてでも儲けようと企む輩が腹立たしい、って感じです(笑)。人間は業な存在なのですし、色々と考えさせられるトピックですよね。

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