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ドッキリチャンネル

森茉莉「ドッキリチャンネル」

 1977年から週刊新潮に連載された森茉莉のテレビコラム集。ちくま文庫からより抜き版の「ベストオブドッキリチャンネル」がでているが、どうせ読むなら図書館で森茉莉全集6-7を借りて、完全版をとばし読みして頂きたい。何度も繰り返される森鴎外話や室生犀星話は無視して、美輪さまや竹村健一、久米宏、タモリとのあくなき闘争を読むに限る。
  森茉莉の価値基準は何かというとパリ。何かパリ的な女優や俳優がいると「パリに遣れる」が口癖である。森茉莉はコラムの中で「ドッキリ褒め」や「ドッキリ斬り」の名のもとにバサバサとお茶の間の芸能人を斬っていく。

 たとえばお気に入りの田中邦衛について。

「…田中邦衛は三百年続いた西班牙の貴族の、血族結婚のために頭の悪くなった城主につかえているソメリエ(ママ)で、城主の食事のために地下室におりていって、葡萄酒の瓶の蜘蛛の巣を払って持ってくる、そんな感じである」

「そんな感じ」って、どんなかんじだ???田中邦衛の耽美な装い?にびっくりだ。オヒョイさんあたりなら想像もつくのだけれど。

嫌いな山口百恵の微笑みについて
「山口百恵の白い歯を見せる微笑いには私の見る限り品がない。…氷水の小豆かイチゴ、レモンスイ、なぞをすぐ曲がる、あのへなへなのアルミニウムの匙で一匙しゃくって口に入れ、隣で、汗拭きの手ぬぐい(米屋か魚屋のお中元の)を畳んで膝に載せ、彼女と並んで氷水を口に運んでいる婆さんに(おばあちゃん、スーッとするねえ)と微笑いかける微笑いである。」

これまた具体的な。。。

研ナオコ

「大勢の役者、女優が画面に並んでいるような時に見ると、研ナオコが腰掛けているところだけがパリになっている。」

研ナオコ、フランスでは美人説は何回か聞いたことあるけど、実際どうなんだろう??もしかして、噂の発生源って、森茉莉?腰掛けているところだけが、パリって、なんか使いたくなる。

沢田研二の「太陽を盗んだ男」をみて

「どこがどうというのではないが怪しげな、なにを考えているのか判らないムウドは沢田が天然自然に身につけているもので、それに加えて沢田には底抜けに暢気なところがある。その一種不思議な、泉鏡花の小説の中に立ち迷っている妖気のようなものと、暢気でずぼらな感じとが、役者としての沢田研二の個性…」

芸能人野球大会の沢田研二

「もし私が歌手たちに混じって野球をするとしたら、沢田研二の敵方になろう、と。それは沢田のピッチングが下手で、こっちが打ちいいように高めに投げるからだ。あんな怖くない、親切なピッチングは初めて見たのである」

美輪明宏
「美輪明宏というのは例えて言うと、ここに一つの酒があるとする。その酒が、仏蘭西貴族も遙かに乗り越えた、昔の露西亜貴族が飲む酒の瓶にそっくりに似せた瓶に詰められている贋の酒なのだがその酒が、美輪明宏なのだ。」

森茉莉と美輪明宏が仲が悪いのは意外なきもするが、美輪がプロデュースした森茉莉の小説を元にした舞台が森茉莉のお気に召さず、それ以来犬猿の仲。

「「ドッキリチャンネル」の目の黒いうちは、面白くも可笑しくもない噺家が二つ目だか三つ目(小僧)だか、真打ちだが知らないが、・・・バカな顔を晒しているのを放っておかないし、バカ気たアメリカ人が集合して、そこら中の空気を退屈にしているのも許さないのだ」

ちなみに、ここでの、噺家は、小朝、バカ気たアメリカ人はレーガンの大統領就任演説のことである。。

あと、樹木希林を、こちらの方がいいと「喜喜喜喜」に勝手に改名。さらに再改名。

「…喜喜喜喜では猿みたいだ。改めて奇鬼綺喜ということにした。…樹木希林が娘なら無理矢理にでも改名させるのだが」

タモリの名前について
(森茉莉はタモリの本名を田守と勘違いしていた。)

「…もっともテレビのタレントなぞは、悪口も一つの売れている証拠となる、それでなくても売れているタモリは、私の文章によってますます売れるわけだ。いくらか貰ってもいいのかもしれない。売って遣ったんだよ。いくら呉れる?田守さん、お仲間のいもりやもりによろしく言ってね。」

いったいタモリに何の恨みが…。

「感覚的に正確な辞書があるとすれば、タモリはい守、や守科に属する動物として、載っているはずである。そうして大きく分類すると、は虫類の中に入っている筈である。」

…。

「今日タモリは橄欖(オリイブ)色のスウェーターを着てでたが、貸して貰いたいような色だった。伊太利亜の運河の色だ。・・・私は、タモリよりは数等はいい顔のつもりだから私には凄く似合うと思う。」

たまに褒めてると思ったら、、。

 と、引用もきりがないのでここで終わりにする。改めてこうみると、森茉莉はナンシー関の先駆者だな。ちなみに私は、森茉莉のエッセイはよく読むが、小説の方は、登場人物のバタ臭い名前にひっかかり、耽美な世界に浸れないので、読者としては失格です。まあ、名前は森家の人々の名前自体が全員変だから仕方ないけど。


キャシー中島○           
竹村健一×(えせインテリのいばりんぼ)
布施明×(いいこぶりっこ)
談志◎(江戸っ子)
久米宏○→×
田中邦衛◎(口の動きが凄い)
B&B◎(ラブ)
徳光×(不細工。朝からでてくんな)
おすぎとピーコ×(不細工)→△(頭がいい)
高峰秀子×(えせインテリ)
淀川長治×(偽善者)→△
欽ちゃん◎
桃井かおり◎
ショーケン◎
いしだあゆみ×(えせインテリ)
加山雄三△(殺陣がへた)
石坂浩二×(えせインテリ)
浅丘るり子◎(パリ)
大島渚×(品性下劣)
荒木一郎◎(真の不良)
岩下志麻×(映画監督の夫を鼻にかける)

追加
忍者ハットリ君◎(ニンニン、ママ上殿がいい)
ビートたけし○
山田邦子◎(ひょうきん族お絵かき時代)
澁澤龍彦△(質問にきちんと答えてくれなかった)
白石かず子◎(天才)
黒柳徹子◎(友人)
名取裕子◎(命名「金太郎官女」)


 

 

森茉莉「ドッキリチャンネル」

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Rume画像 投稿者:
Rume
詳細情報
  • 森茉莉
  • 筑摩書房
  • 森茉莉全集6-7
  • 2007/06/12更新
  • 2007/06/11登録
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