ゆれる
田舎に帰っての葬式の場面が気持ち悪くリアルだ。
主人公・猛役のオダギリジョーに絡むテンションの高い親戚のオッちゃんが河原さぶで、寡黙で昔気質な親父(伊部雅刀)が突然ブチ切れるところだとか、兄貴の稔(香川照之)のすべてを抑圧した良い人っぷりだとか。
猛の幼なじみ智恵子(真木よう子)の現状に不満足な中途半端な感じ、女目線の男の見方-カメラワーク-と台詞は男の作家では描けないだろう。
物語がすすむに従って変わってくる視点の揺れ。
拘置所でガラスを一枚隔てて繰り広げられる会話。裁判でみせる香川照之の虚ろな絶妙の表情と背中。証言台に立つオダギリ。
どういうわけでこういったストーリーを描くに至ったのだろうか。
西川美和。女性が男兄弟を描くなんて正直驚いた。
本人はとても小柄でこんな話を書きそうな感じにはまったく見えなかったのだが。いやあ、驚いた。
映画としては、手放しで絶賛というところではない。
車に乗り込むたびに音が掛かったり場面と合ってない音のセンス、余韻の薄い早い暗転は多少不満を感じたりもしたが。
オダギリが母親の遺したフィルムを観る場面。僕だったら違うところに挟むかなあとも思った。流れであすこはイージーすぎやしないかい。
しかしながら、ひさびさに邦画で衝撃を受けた作品でありました。
邦画でひさびさに想像力を掻き立てられました。
「あなたは絶対観たほうがいい、きっと好きだから、観たほうがいい」と20回くらい言われてやっと観たけれども、その理由がわかったよ。
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