ミスミケンジ
三隅研次
映画監督。フィルムに、日本刀の鋭い切先の放つ冷たい輝きを、見事定着させた男。
1921年生まれ。京都の芸妓と神戸の実業家の子供として、親戚に育てられる。結局実の母に会ったのは、二回しかない。立命館大学卒業後、助監督として入社。シベリア抑留後、助監督から大映で再スタートする。酒は飲めず大のコーヒー党で、打合せの時にはフランソワ等お気に入りの喫茶店を何軒もハシゴした。衣裳選びには特に時間をかけ、一週間以上の時間を費やした。
代表作としてよく知られているのは、勝新太郎の「座頭市」シリーズや、若山富三郎の「子連れ狼」シリーズ、市川雷蔵「眠狂四郎」、「大菩薩峠」シリーズ、同じく雷蔵の「剣」三部作。「大魔神」など。テレビでは必殺シリーズの監督なども勤める。全盛期から倒産に至る大映を支えた職人監督の一人。1975年没。
最近、アンテナにひっかかる時代劇映画のほとんどがこの人の作品。役者をより一層輝かせる残酷で華麗な殺陣、因果の闇に沈むニヒルな登場人物、闇に煌く日本刀の切っ先の美しさを描かせたらこの人の右にでる人はなかなかいない。特に三隅監督がその真価を発揮するのは、身体的(盲目、片腕、下半身不随、聾唖等)な欠如、もしくは「子連れ狼」に見るように、子供など主人公が目に見えるハンデをおった時である。三隅監督の映画の主人公達は、社会的にも心情的にも孤独な男が多い。
殺陣のスプラッタな描写など、海外の映画人にあたえた影響も少なくないとおもわれる。もっと長生きしていたらなあ、と、思わずにはいられない。
研究書は一冊出ているが現在絶版らしい
「剣―三隅研次の妖艶なる映像美 」野沢 一馬 (著) 四谷ラウンド
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コメント (2)
2007/06/16
祥 座頭市も好きだったなぁ。こうして見ると、いつも新しい流れの先駆けを創っていた方なのですね。仕事人はこの人ではないのか、と何気なく検索したら七夕にスペシャルが…(仕事人ファン)
Rume 時代劇は作品自体や、役者さんの個性に注目してしまい、監督自体をあまり注目することはなかったのですが、改めて見返すと、かなり時代劇史の中では大きな監督ですね。長生きしていたら、と書いてはみたけど、海外の映画人からは尊敬され、日本の批評家には逆輸入で評価され、しかし、殺陣のできる俳優がいなくて映画が撮れないとか、そういう晩年の予感がします。「仕掛人」、「仕置人」、「仕事人」の関係が、よくわかりません。多かれ少なかれ、全部に関わってそう。
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