Maruti Suzuki (インドの自動車メーカー)
インドで自動車と言えば、マルチ・スズキというほど圧倒的な知名度を誇る自動車メーカー。正式社名は、Maruti Suzuki India Limited(2007年7月Maruti Udyog Limitedから変更)であり、Maruti Suzukiはブランド名である。親会社はもちろん浜松発の世界企業、日本のスズキ。インドでは、ダントツシェア一位を誇る自動車メーカーで、インドで最も成功した日系企業と呼ばれる。スズキの鈴木修会長が1982年にまいた種(そのとき国営企業との合弁という形で生産を始めたのが旧式アルトベースのMaruti800。未だにインド最廉価の普通自動車として健在である)が着実に実り、今やスズキグループの中核会社にまで成長した。
2007年11月には、日本企業としてはだけでなく、海外資本としては圧倒的な2000億円の設備投資を発表。さらに初の日本人トップとして、スズキ本社の中西専務の派遣を決定。会長には前会長のR.C.Bhargava氏が復帰も併せて発表された。
これはまさに「スズキがインドと心中」することの決意表明であり、盤石の首位固めに走る。Maruti Suzukiがスズキグループ最大の生産拠点となる日もそう遠くないだろう。
インドでのポジションは日本でのトヨタに近く、信頼性だけでなく全国に張り巡らせたディーラー網を最大の武器として市場シェア首位を堅持している。最近激化している巨大メーカーの参入にも果敢に抵抗し、シェア50%近い数字を維持しているのは驚異的だと思う。二位のTata(西部Puneに本拠地)や、三位のヒュンダイ(南部Chennaiが地盤)と違い、全国でまんべんなくシェアが高いが、やはり本社があるDelhi地区のシェアが一番高い。
長い間、型落ちモデルを投入してきたが、2005年のスイフト投入で大きく方針転換。先進国と同じモデルイヤーの車種の投入を開始した。結果として、スイフトはインドでの発売初年度の販売台数記録を更新する大ヒット車となった。
このスイフト以降のマーケティングは興味深い。スイフトは「現代的でポップ」なイメージ(これはまあいい)で若々しさを強調している。
一方、最近投入されたSX4(日本、欧州のハッチバックではなく、世界初のセダンモデル)は、なんと(意訳すると)「自分の中の男を解き放て!」。これでもわかりにくいので日本車にたとえるならば、「佐藤浩市がスーツ姿で走らせるマークX」のようなイメージである。(ちなみに、キャッチコピーは「Man is BACK」)
個人的にインドに関わっている経験から考えると、マルチスズキの成功までの道のりは、本当に苦労の連続だったろうと思う。興味がある人はこちらをどうぞ。
→→「スズキのインド戦略」
ちなみに社名の「マルチ」は、MultiではなくMarutiである。(発音は「まーるるてぃ」といった感じに聞こえる。)
■08/02/23更新
社運を掛けたインドと心中計画の一環として、自前で港を持つみたいですね。強い決意を感じます。









