Anthony Bourdain No Reservations (Discovery Channel)
アンソニー世界を喰らう(ディスカバリーチャンネル)
キッチン・コンフィデンシャルの筆者アンソニーボーデインが、著書同様に旅して紹介する世界の食番組。著書を知らない人は想像しにくいと思うけど、グルメ番組の一言ではくくれない。むしろグルメかどうかはさておき、食を切り口にした世界風俗紹介番組って感じでしょうか。あくまで現地の人が振る舞ってくれる料理を喰らうわけなので、アンソニーはともかく、日本人が観ていて「美味しそう!」と思うかどうかはまた別の話。ロケ映像を編集してナレーションが足されてるんだけど、もともと飄々とした冗談に加え、「あの時実はこう思ってた」というのがわかって面白い。
例えば、近代化の進むナミビア(だったような)で昔からのスタイルで暮らす人々のごちそうは、穫りたての猪の丸焼き。さっきまで食べてたものも消化中だし、当然腸の中には排泄前の物体があるけど、全部位を食べつくす。例えば、イヌイットの家族のごちそうはアザラシ。軽く解体された状態を、みんなで囲んで生のままこそげて口に運ぶ。ギョっとするし、編集コメントではアンソニーも「これには閉口しました」とかは言うんだけど、基本的に振る舞ってくれる人に対する感謝とその生活への敬意が感じられるので、観ていて嫌じゃない。
食べる話で終始しないのがほとんどで、生産者を含めた食事情や食を超えた現地情報も多い。たいていは面白い人や一風変わった習慣なんかが少し皮肉っぽく(でも厭味じゃなく)紹介されるんだけど、その中でも異色なのがベイルートの回。二日目からちょうど武力衝突が起こって予定通りのロケができなかった代わりに、米海兵隊が救出に来てくれるまでを記録した一編。大袈裟な感情を付加し過ぎることもなく、したり顔で偏った意見を言うでもなく、渦中に存在する人として感じたままがニュートラルに表現されていて、毎回冗談ぽい中にこういうのが入ってくるのも面白い。
まあなんか、憎めないおじさんが色んな場所へ出かけて現地の食べ物を食べる番組です。東京にいると色んな料理が食べられるけど、それとは違った感覚で世界を知れてオススメ。
番組の名誉(?)のために補足しますと、食べてみたいと思う美味しい料理もたくさん紹介されてます。ご安心を。そういえば、お店の主人が「うちのは世界一!」と自慢する現場ではただ微笑むだけで、ナレでは「たしかに美味しいですが世界一ではありません」と訂正してたこともありました。ヤツは状況に流されません、そういう意味でも安心して観られるかな(笑)。
ディスカバリーチャンネルの番組ページ
今後のラインナップは、インドネシア、アイルランド、ガーナなど。日本にも来たらしいので、その回も観てみたい。
アンソニーのオフィシャルサイト(英語)
昔は料理人をしながら普通のミステリーを執筆していたこともあるらしく、Amazonのレビューなんかでも評価が高かった。今も番組上は「作家の私」と言ったり「料理人」と言ったり色々です。
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