Kurtlar Vadisi IRAK / VALLEY of the WOLVES IRAQ
イラク 狼の谷
イラクを舞台にトルコの元諜報員がアメリカ相手に立ち向かうアクション映画。脚本やが荒削りですが、イスラム社会からのしっかりとしたメッセージが込められています。映画のもとはトルコで人気のあるドラマ「狼の谷」シリーズ。日本で言うと「踊る大捜査線」の映画化のような感じなのかもしれません。いま何をイスラム社会が感じ考えているのか、一面だけでも感じ取れる映画です。
物語の出発点は2003年に現実に起こった米軍によるトルコ兵拘束事件(スレイマニエ事件)。この事件で拘束されたトルコ兵将校が元トルコ秘密諜報部員のポラット(ネジャーティ・シャシュマズ)に復讐を依頼し、自身は自殺するところから始まります。映画の途中にも要所要所で、アブグレイブ刑務所での捕虜虐待や結婚式での祝砲を攻撃と誤認した米兵が銃撃した事件等が描かれています。もっとも事実とは違う脈絡だと思いますが。
ただしテロやを容認しているわけではなく、この映画にでてくる宗教指導者(映画訳では導師)は自爆テロや人質殺害はしてはいけないと説いていたからも、アメリカが映し出すイスラム社会ではない面を伝えたいという気持ち、また、イスラム社会に向けてのメッセージも込められていたのではないかと感じました。
あまりにも反米色が濃いように見えるため、アメリカ本国では軍機関誌に「映画を観ないこと、上映館にも近付かないように」、ドイツでも論争が巻き起こったり、反対にイスラム社会は大熱狂したそうです。いろいろと裏では政治的なやりとりがあったかもしれませんが、これをPG-12で公開できる日本は面白い。上映館が銀座シネパトスだけだからかもしれませんが・・・。願わくばもう少し上映館があればなぁと。
ちなみに、悪役のアメリカ人としてタイタニックでディカプリオの恋敵役だったビリー・ゼインが出演しているのですが、これもでかとばかりに極悪非道な悪人を演じきり、これではアメリカ社会で生活できないんじゃないかと心配してしまうほど。臓器売買のユダヤ人医師を演じた、ゲイリー・ビジーも然り。事実いろいろと言われているようですが、この映画への協力を決めたアメリカ人の覚悟には感服です。
さらに、主役のネジャーティ・シャシュマズ。アメリカでビジネスをしようと飛行機に乗っのが、2001年9月11日。その飛行機はアメリカに到着せずトルコに逆戻り。そこで知人に声をかけられ、狼の谷に出演し大人気になったとのこと。ホントかどうか裏は取っていませんが、映画のパンフレットに載っていた情報として。
オフィシャルサイト: @entertainment / イラク 狼の谷
関連エントリ
* トルコ在住の方の感想 ◇狼の谷◇ - おとぎの国☆の玉手箱 - 楽天ブログ(Blog)
* トルコ在住の方の感想 JP-TR/トルコ映画「Kurtlar Vadisi Irak(狼たちの谷 イラク)」
* 2006-02-06 映画版「狼たちの谷、イラク」封切 -米国大使がトルコでの反響を本国へ報告(Milliyet紙)
* 映画通の部屋: イラク ―狼の谷―
- 2007/07/04登録
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