伊藤雄之助(1919- 1980)
この人の演技を見るまで、「怪演」や「濃い」という言葉を比較的安易に使ってきましたが、いたく反省しました。若山富三郎「子連れ狼」の一作目では、柳生烈堂役の伊藤雄之助がでたとたんあれだけ濃いと思っていた若山富三郎が、普通に見えました。「おーーがぁーーーーみーーーいっっとー」映画内時空を歪ます台詞回し。周りの人は普通に動いているのに、伊藤雄之助が時空を歪めているせいで、周りの人の動きが凄く素早く見えます。
「椿三十郎」の、助けたことを後悔するような家老、そして「太陽を盗んだ男」の老テロリスト役も目が本物でした。とにかくあの細長い顔、顎、目が凄い。異相という点のみ、対抗できるのは嶋田久作ぐらいでしょうか。
自分の顔があまりにも長いため、映画会社でワイドスクリーンが採用された時、自分はもう、寝てる役ぐらいしかもらえないのではなかろうかと、伊藤雄之助が悩んだというエピソードをしりました。いくら顔長いからって、寝てる役って。。横長スクリーンで寝ているますます長い顔の伊藤雄之助を想像しただけで、笑いが止まりません。
伊藤雄之助は元々歌舞伎の家(澤村宗之助の次男)に生まれ、フグで死んだ八代目三津五郎にはずいぶんいじめられたそうです。
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